話を聞いたひと 遠山陽介(とおやま ようすけ)さん ベスプラ代表取締役CEO
週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2022」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。※エコノミストオンライン「挑戦者2022」はこちら
スマートフォンアプリでの運動や食事管理などの予防、認知機能が把握できる検査、家族間での情報共有を通した総合的な認知症予防サービスを提供する。
脳の健康維持をサポートするスマートフォンアプリ「脳にいいアプリ」を核とする認知症予防サービスを提供しています。同アプリは脳の活性化が期待できる「歩く」「食事」「脳トレーニング」などを促すことで、ユーザーの健康を管理します。例えば、「歩く」では性別と年代などを設定することで、AI(人工知能)が健康維持に必要とされる歩数の目標を設定し、日々の歩数を計測・管理します。アプリのメインユーザーは50代から70代以上で、延べ10万人以上がダウンロードしました。東京都八王子市や渋谷区の健康アプリとしても推奨・活用されています。
私たちのサービスが珍しいのは、アプリでの認知症予防だけでなく、「検査」「家族への共有」も含めた“一気通貫”でのサービスを展開しているところにあります。「検査」では、記憶力と判断力をテストする認知機能検査サービスを提供しています。これは、75歳以上のドライバーが免許更新時に受ける検査と同じ仕様となっており、実際に免許更新を行う前のテストや定期的な認知機能の検査のために活用されています。70代以上を中心にこれまで18万人以上が検査を受けました。
また、「家族への共有」として認知症予防が必要な高齢者だけではなく、アプリのデータを家族間で共有できる「家族サイト」というサービスがあります。歩数や服薬情報などをリアルタイムで共有できるので、高齢家族の「見守り」に活用可能です。写真の共有機能もあるので、孫の写真などをサイト内で共有するなどして家族のコミュニケーションツールとして使っているユーザーもいます。
■こどもの頃はどんな性格でしたか?
良く言えば「活発」、悪く言えば「落ち着きのない」少年でした。
僕の家は貧乏だったので、早朝に新聞配達などいくつか手伝いをしてから、小学
校に通い、放課後に友達とドッジボールをして、その後に夜まで少年野球をして
帰宅する、毎日「全力少年」でした。
■こどもの頃の夢を教えてください。
「これだ!」という夢がなく、強いて言えば「プロ野球選手」には憧れていました。毎日、その時々のやりたいことに一生懸命だったかなと思います。
■こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。
「週刊少年ジャンプ」ですね。特にドラゴンボール。悟空が強い敵をやっつける
のを毎週とても楽しみにしていました。
中学生になってからは、司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」を読んで、優しくて強
くて利他的な人間性や、時代や常識に囚われない生き方をしている竜馬に憧
れていました。
■仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。
今、高齢者向けの健康アプリを開発していますが、よかったことは「ユーザーさ
んから感謝されること」です。大変だったことは「ユーザーさんから認めてもら
うこと」です。
大人になると、なかなか人から褒めてもらえることも少ないのですが、皆さんの健康の為にと思って、一生懸命開発したアプリのユーザーさんから感謝のお手紙などもらうととても嬉しいです。
一方で、色んな厳しい意見ももらいますので、その意見を一つ一つクリアして、色々な方に認めてもらって、健康アプリを使い続けていただけるように、今頑張っています。
「研究や開発、物を作ること」はとても好きなのですが、それを「継続して成長
させる」ことはとても大変だと感じます。
■子どもたちにメッセージをお願いします。
あまりごちゃごちゃ考えず、人生なんて所詮タイミングなので、将来に向けて
「経験」と「楽しむこと」がとても大切だと思います。
別に夢は持たなくて良いと思っていて、将来への選択肢が多くある中で、色々な「経験」をして、その「経験」の組み合わせで、自分の進む道を作る事ができ
ると思います。悪い事も良い事も「経験」だと思って糧にしてください。もちろ
ん、夢を持っている人は、その実現に向かって全力で邁進して欲しいと思います。
そして、もっと重要なのは「楽しむこと」で、何のために生きているかというと、断然「人生を楽しむこと」なので、そこに最も重点を置くべきだ思
います。その時々を、自分の為に、自分の大切な人の為にも、毎日を全力で楽しく過ごしてくださいね!
最後に、僕たちベスプラは、若い皆さんが生きやすいような社会保障費を確保す
る為に、大人を健康にする社会を作っていきます。ぜひ応援してください!