好きな分野を極めて未知の世界へ
部活動でも、桐朋の生徒の自主性が発揮されている。例えば「地学部」は、天文・地質・気象の3つの班で構成され、さらにどの班からも参加できるモデルロケット班を擁している。地学教室やデジタルプラネタリウムを拠点とし、昼休みや放課後の時間を利用して活動。天文班による太陽面のスケッチや黒点相対数の計測などは、毎日行われている。モデルロケットは、毎年10月にJAXAで行われる全国大会にも参加を続けており、2015 年には総合優勝を勝ち取った。OBのなかには、大手メーカーに就職し、ロケット製造に携わるようになった生徒もおり、「好き」を極めることが進むべき道へとつながった好例といえる。近年は地質班が参加する砂金甲子園で、3回優勝するという快挙を遂げている。活動の幅は広いがいずれにも共通する点は、科学的な思考・経験を大切にしていること。実験の進め方を逐一記録し、失敗したときは原因究明のため、一つひとつ潰していく作業を怠らない。
こうした活動を広く外部にプレゼンする場となるのが、6月に開催される「桐朋祭」だ。地学部をはじめ、生物部、鉄道研究部など、数多くの団体が活動を発表する。高2を中心とした実行委員会が、企画から開催まで1年かけて準備する大イベントだ。学年の壁を超えた共同作業によって得られるものは多く、関わった生徒にとって、学生時代のかけがえのない思い出となっている。
OBとの出会いを糧に未来を描く
桐朋の進路指導は、大学進学だけにフォーカスするのではなく、生徒の将来まで見据えているのが大きな特徴だ。まず、どのような道に進みたいか、将来の姿をイメージしたうえで、大学を選択する。こんなとき、各方面で活躍するOBたちの体験談は、生徒たちにとって大きな刺激となり、また心強い道標となる。そのための取り組みとして、60年以上前から開催されているのが「在校生卒業生懇談会」、通称「在卒懇」だ。OBとのつながりが強い桐朋だからこそ続いている会で、高1、高2に各1回、卒業生と在校生が交流する場が設けられる。例えば高1では、卒業後10年になるOB約20名を招き、進路の選択と、現在までの道のりについて語ってもらう。また高2では、大学で研究活動や指導を行っているOBが、「大学とは」、「学問とは」をテーマに大学での学びについて話す。後輩たちの力となれるよう、自らの体験を惜しみなく披露してくれる先輩たちから、自分だけでなく、他者を敬愛し社会に貢献するという、桐朋の精神も受け継がれていく。
様々な生徒がともに学ぶ環境、校外学習や修学旅行、OBとの懇談会、そして「本物」との触れ合い。桐朋は、多様な人々や未知の世界との「出会い」の機会があふれた学校だ。「出会いこそが、桐朋の根幹にあるもの。ただ教科書を使った通り一遍の授業をこなすのではなく、本物と出会い、凄さを感じられるような人間になってほしい」と上原教諭は生徒たちのさらなる成長に希望を託している。
所在地 〒186-0004 東京都国立市中3-1-10
TEL 042-577-2171
学校公式サイト https://www.toho.ed.jp
海外進学支援 有
帰国生入試 無
アクセス
国立駅(JR中央線)徒歩15分
谷保駅(JR南武線)徒歩15分
国内外大学合格実績(過去3年間)
東京、京都、東京工業、一橋、北海道、東北(医)、大阪、九州、東京医科歯科、東京外国語、東京藝術、筑波(医)、千葉(医)、弘前(医)、信州(医)、横浜市立(医)、福島県立医科、名古屋市立(医)、東京都立、国際教養、防衛医科、気象、慶應義塾(医)、早稲田、上智、順天堂(医)、東京慈恵医科、日本医科など
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