【ニュースがわかる2024年7月号】巻頭特集は「沸騰」する地球の未来

スクールエコノミスト2023 WEB【山梨学院中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は山梨学院中学校を紹介します。

山梨から世界へ。徹底した語学教育と世界標準の探究型学習で、扉を開く

<3つのポイント>

①自ら学ぶ姿勢を涵養し、定着させる探究型教育

②学力を存分に伸ばす、個々のレベルに合わせた無駄のない授業

③英語4技能を段階的に身につけ、集大成となるオーストラリア語学研修へ

自ら学ぶ姿勢を涵養し、多様な力を育む 世界標準の探究型学習

 時代が求める新しい教育を積極的に取り入れ、世界標準の学びを展開している山梨学院。「自律」「思考」「表現」「共生」を教育目標に掲げ、「探究心」「仲間」「自己肯定感」を大切にした教育を実践している中学校では、探究型学習を重視している。その象徴たる存在が、二つのプロジェクト活動だ。

 「身体表現」「劇の創作」などからやってみたいものを選び、縦割りのグループで完成させて文化祭で発表する「オータムプロジェクト」は、チームワークを実践する場。協働することを通して主体性や多様性、協調性が育まれていく。

 一方、生徒自らテーマを設定し、1年かけて深堀りしていく「パーソナルプロジェクト」は、自身の興味関心に沿って進める探究活動。実験や観察、現地取材などのフィールドワーク、文献の精査といった調査手法も、個々に委ねられる。「もっとも大切なのは、徹底的に掘り下げること。それによって探究のおもしろさに触れ、自ら学ぶ姿勢が涵養されていくのです」と吉田正校長は語る。それだけにテーマ設定は重要で、教員との対話を重ねながら、興味関心を探り、内容を絞り込んでいく時間は、自分と向き合う時間ともなる。テーマは例年多岐にわたり、大学レベルの深い研究も散見される。また進路選択にもつながり、過去には「ぶどうの出荷時期を遅らせるには?」をテーマに、家族が所有するぶどう畑で実験を繰り返し、一つの答えを導き出した生徒が東大農学部へ、アマチュア無線でより遠くの局と交信するために自ら八木アンテナを作った生徒が東大工学部へと進んだ例もある。

英語4技能を段階的に磨き、最大4週間のオーストラリア語学研修へ

 一人ひとりの能力に応じ、上限のない学びを提供しているのも、山梨学院の特長だ。例えば、グローバル社会におけるコミュニケーションスキルとして必須となる英語の力には、入学時の段階ですでに個人差があることを考慮し、オンライン教材e-spireを平常授業に採用するとともに、並行してネイティブ教員と1対1で対話する時間を組み込むなど、すべての生徒が自分のレベルに合った学習によって満足感を得られる授業を展開している。カリキュラムは、読む、書く、聞く、話すの4技能がバランスよく身につくよう組まれており、2年秋には、ネイティブの講師とともに英語のみで生活する2泊3日のイングリッシュキャンプ、3年秋には、ホームステイしながら現地校に通う最大4週間のオーストラリア語学研修も用意されている。「英語を使わないと生きていけない環境に置かれた生徒は、思考を巡らし、持てる力を全部使って、懸命に自分の意思を伝えようともがきます。それにより、生徒たちの視野が広がり、精神的にもたくましくなります。また、外国を生活の場として意識するようになり、より世界を身近に感じるようにもなります」と吉田校長。帰国後、生徒たちの成長は目覚ましく、まるでスイッチが入ったように勉学にも日々の活動にも活発に取り組むようになるのだと目を細める。

「パーソナルプロジェクト」での発表