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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

SNSのトラブルから子どもを守る方法とは?

ニュースがわかる4月号の特集「SNSで失敗しない」では、ネット事業大手「グリー」社会貢献チーム・マネージャーの小木曽健さんに話を聞きました。ここでは大人に向けに、誌面で紹介しきれなかった「子どもの失敗を防ぐ方法」を紹介します。

Q:まず、ネットでの「炎上」のこわさはどんなところにありますか?

A:どんな炎上も2~3カ月たてば、たいてい忘れ去られます。1年前の炎上や、6カ月前の炎上を思い出せる人はほぼいないでしょう。でも私たちは誰でも、進学や就職、結婚など人生の大事な場面に限って注目されるので、その都度、忘れられたはずの炎上も見つけられてしまう。それが炎上の本当の恐ろしさです。投稿が社会的な批判を呼んだある学生は、試験の合格を取り消され、会社の内定を取り消され、結婚話さえ消滅しました。しかも人生の大事な場面に終わりはありません。ずっと続くのです。これは相当ひどい悪質な炎上に限った話ですが、ネットを使う人ならだれでも知っておくべきリスクです。

Q:中学生になると、SNSでどんな失敗が多いですか。

A:中学生から増えてくるのは、男女の付き合いの中で撮影した写真の流出ですが、もっと下の学年でも、子どもを装い、下着選びや体形の悩みを相談するふりをして裸の写真を送らせる犯罪者がいるので、注意が必要です。小学5~6年生ごろから次第に外の世界とのつながりに興味を持ち始めますから、ネットリテラシーの教育もその年ごろからスタートするとよいでしょう。

Q:コロナ禍の変化はありますか。

A:ネットで起きている犯罪に限れば、ここ1~2年は、直接会って被害に遭うケースは減っています。一方で、自撮り画像を送信させるケースは増加傾向です。発覚していないケースも多いはずで、コロナ禍が収まった時、犯罪者が画像の子どもに会おうとする可能性もあります。加害者は必ずしも小児性愛者とは限りません。ただ「だましやすいから」というだけの理由で子どもに近づく人間もいるのです。

Q:子どもが困っていることに親はどうやって気づいたらいいでしょう。

A:中学生はもちろん、小学生でも高学年になれば、親に泣きついたり、周りの大人に相談したりするケースが減ってくるので、日ごろから相談ごとを打ち明けてもらえる空気を作りましょう。子どもが被害に遭ったネット事件のニュースなどに、「本人も悪い」といったコメントは厳禁です。「誰でも被害者になりうる」といった反応を見せて、相談していいんだという姿勢を見せて下さい。いざという時は、状況を冷静に聞くこと、単語やサービスがわからなくても怒らないことが大切です。何より、少しでも多くの犯罪手口を知ってもらうことが、失敗を防ぐ盾になります。ニュース、報道などを親子で深堀りするようにしましょう。

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