ニュースがわかる10月号より
中東のアフガニスタンで8月、タリバン*が政権をうばい取り、選挙で選ばれた大統領は国外に逃れました。
アフガニスタンはアメリカがリーダーシップを取って民主化に取り組んできましたが、これでふり出しにもどりました。いったいどんな国でしょうか。
*タリバン:アフガニスタンで1994年、イスラム教を学ぶ学生を中心に結成された武装グループ
東西文化が出合う国として栄えた
アフガニスタンは、イランやパキスタンなどに囲まれた内陸の国です。面積は日本の約1.7倍で、4分の3が山岳地帯です。人口約3890万人のほとんどがイスラム教徒です。
かつては仏教がさかんで、東西の文明が交差する場所として栄えました。1960〜70年代は安全が保たれていましたが、今は戦乱の絶えない危険な国になってしまいました。
大統領が国外へ脱出
2001年、国際テロ組織のアルカイダが引き起こしたアメリカ同時多発テロをきっかけに、アメリカ軍はアフガニスタンにとどまり続けました。アルカイダは当時アフガニスタンの政権をにぎっていた武装グループ、タリバンと協力しており、それに対する警戒とおさえ込みが必要だと考えたからです。
タリバンはアメリカ軍などの攻撃を受けて政権を失いましたが、しだいに勢力をもり返し、今年8月15日に首都カブールを手に入れました。ガニ大統領は国外に逃げ出し、タリバンが20年ぶりに国の権力をうばい取りました。一方、アメリカ軍は8月30日までに引き揚げ、「アメリカ史上、最も長い戦争」といわれたアフガニスタンでの軍事作戦にピリオドを打ちました。(編集部)
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