飲料メーカーのアサヒグループホールディングス(HD)は9月29日、サイバー攻撃を受けてシステム障害が発生したと発表しました。(「Newsがわかる2025年12月号」より)
サイバー攻撃は、インターネットを通して他人のコンピューターに不正な方法で入り込み、個人情報や企業秘密などのデータを盗んだり、システムを壊したりする行為です。このため同社はビールや飲料などの受注や出荷業務ができなくなり、全国に約30ある工場の多くで生産を一時停止しました。
アサヒHDは10月3日、このシステム障害はランサムウエアによるものだと発表しました。その後、「Qilin」と名乗るハッカー集団がインターネットで犯行声明を出したことがわかりました。
関係者によると、Qilinは「チーリン」や「キーリン」と呼ばれています。アサヒHDの内部文書や社員の個人情報とする画像を公開し、約9300件のファイルを盗んだと主張しています。アサヒHDの社員が使っていたパソコンを乗っ取り、侵入した可能性があります。
Qilinはロシアに拠点があるとされ、2022年ごろから活動。ランサムウエアを使って、世界各国でサイバー攻撃を繰り返しています。

アサヒビールの瓶ビールの在庫がないことを知らせる酒店の張り紙=大阪市で10月5日、共同
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