チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(89)は7月2日、インド北部ダラムサラであった会合で声明を出し、自分の後継者の選び方は輪廻転生の考えに基づく制度を続けると発表しました。(「Newsがわかる2025年9月号」より)
チベット仏教では伝統的に、ダライ・ラマの死後に、その生まれ変わりを探す「輪廻転生制度」をとっており、14世も2歳の時に先代の生まれ変わりとして認められました。ただチベットの分離独立運動を警戒する中国には、ダライ・ラマ後継者の選び方に関与する意向があり、政治的な圧力をかけています。
チベット仏教の教団内では、14世が生きているうちに男女を問わずに後継者を指名することも取り沙汰されていました。
ダライ・ラマ14世は声明で「制度の継続を強く求める多くの要望が寄せられた」と述べ、「他のいかなる者もこの問題に干渉する権限はない」と中国をけん制しました。中国外務省の担当者は7月2日の記者会見で、「転生は(中国の)中央政府によって承認されなければならない」と述べ、中国政府が必ず関与するという認識を示しました。
両手を支えられながら歩くダライ・ラマ14世(中央)=インド・ダラムサラで7月6日、共同
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ダライ・ラマ 後継者は指名せず
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