被爆者の立場から核兵器廃絶を国内外に訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式が12月10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で開かれました。(「Newsがわかる2025年2月号」より)
日本被団協を代表して田中熙巳代表委員(92)が受賞演説し、「核兵器は一発たりとも持ってはいけない」と呼びかけました。世界ではウクライナや中東での戦争をめぐり、核による危険が高まっています。田中さんは「核のタブー(核は二度と使われてはならないという考え方)が壊されようとしていることに限りない口惜しさと憤りを覚える」と警告しました。
演説で田中さんは日本被団協の活動を紹介し、「核のタブー形成に大きな役割を果たした」と強調しました。また、1945年8月9日に長崎で被爆した自らの体験を語り、「一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え一挙に命を奪った」と無念の思いを述べました。
さらに、すぐ発射できる核弾頭が世界に4000発もある現状を指摘し、「人類が核兵器で自滅することがないように。核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう」と演説を締めくくりました。
ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の(右端から)箕牧智之さん、田中重光さん、田中熙巳さん=ノルウェー・オスロで12月10日
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被団協 ノーベル賞授賞式で演説
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