東京電力は11月7日、福島第1原子力発電所(福島県双葉町、大熊町)2号機の燃料デブリの試験取り出しで試料の回収を完了したと発表しました。(「Newsがわかる2025年1月号」より)
燃料デブリの回収は原発事故から13年半で初めて。燃料デブリは1〜3号機に計880トンあるとみられ、政府と東電は廃炉(核燃料を取り出して原子炉や建屋を解体すること)の完了までにすべて回収する計画です。
今回の試験取り出しでは、格納容器の内部に通じる穴から釣りざお式の装置を差し込みました。その装置の先端部を、原子炉を支える土台の底に垂らし、先端部の器具で試料をつかんで引き抜く作業を行いました。東電はこの日までに、試料を格納容器の外にある収納箱まで引き抜いて放射線量を測定し、回収できることを確認しました。そしてこの日、容器に収めた試料を収納箱から取り出して専用容器に入れ、回収しました。
試料の大きさは約5ミリ、重さは最大3グラムとみられ、茨城県内の研究施設で約1年かけて分析する予定です。東電は今後、さまざまな場所へ動かせるロボットアームも使い、さらに試料の回収を試みます。データは、今後の取り出し規模の拡大に活用するとしています。
東京電力が2号機で燃料デブリの試験的な取り出しを完了したと発表した福島第1原発=11月7日、共同
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