広島は8月6日、長崎は8月9日、アメリカによる原子爆弾の投下から78回目の「原爆の日」を迎え、それぞれ平和式典が開かれました。(「Newsがわかる2023年10月号」より)
約5万人が参列した広島市の平和式典では松井一実市長が平和宣言で、核兵器を持てば他の国がこわがって攻撃してこないだろうとする核抑止論は「破綻している」と指摘しました。各国の政治家にやめるよう呼び掛け、日本政府には核兵器禁止条約の締約国となるよう求めました。岸田文雄首相は「唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向けた努力を続ける」と話しましたが、条約については触れませんでした。
長崎市の式典は台風6号の接近の影響で、会場を平和公園から屋内施設に変更して行われました。岸田首相らは招かず、鈴木史朗市長ら市の関係者約50人が参列しました。
鈴木市長は平和宣言で、世界で核兵器が使われる危険が高まる中、「今、核戦争が始まったら、どんなことが起きるのかという根源的な問いに向き合うべきだ」と訴えました。岸田首相は式典にビデオメッセージを寄せましたが、ここでも核兵器禁止条約には触れませんでした。
原爆慰霊碑の方を向き、投下時刻に合わせて黙とうする人たち=広島市で8月6日
台風6号の接近で規模を縮小し、屋内施設で開催された長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典=長崎市で8月9日
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