不登校の小中学生が、2024年度は過去最多の35万3970人だったことが、文部科学省の調査で分かりました。前年度より7488人(2.2%)多く、12年連続で増えています。小中高校・特別支援学校のいじめも増えており、対策の強化が求められています。
不登校が増えている
不登校とは、病気などの理由を除き、年30日以上登校していないことです。2024年度に不登校だった小学生は13万7704人で、前年度に比べ7334人増加しました。中学生は21万6266人で、前年度に比べ154人の増加でした。
学年が上がるほど人数は多くなります。小学1年の8738人に対し、小学6年は3万8080人、中学3年は8万464人です。6年生なら35人のクラスに1人以上いる計算になります。
不登校は2021年度以降、前の年度に比べて15~25%ずつ急激に増加していましたが、今回は増加率が大きく下がりました。また、新たに不登校となった児童生徒も、9年ぶりに前年度より減少しました。
一方で、不登校のうち、学校内の養護教員やカウンセラー、学外の民間団体、医療機関などの専門的な相談や指導を受けていない児童生徒は13万5724人と、4割近くに上っています。
文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より
行かない理由は人それぞれ
毎朝おなかが痛くなるけれど、病院に行っても病気は見つからず、そのまま学校に行かなくなる――。こんなふうに、本人にも理由がよく分からないケースは珍しくありません。逆に「先生や友達がいやだ」「集団生活になじめない」などと理由がはっきりしている場合もあります。みんな違うのです。
学校側に寄せられた相談内容からみると、小中学生では「学校生活に対してやる気が出ない」が最も多く30.1%でした。次に多いのが「生活リズムの不調」で25.0%。次いで「不安・抑うつ(気分ち込こむこと》」が24.3%でした。
一方いっぽうで「無理むりして学校がっこうに行いかなくていい」という考かんがえ方かたも広ひろがってきています。不登校ふとうこうジャーナリスト・石井いしいしこうさんは「不登校ふとうこうは子こどもの問題もんだいではなく、学校がっこうに多様性たようせいがないことが問題もんだい」と指摘してきしています。
学まなべる場所ばしょもある
「学力がくりょくに関かんする不安ふあんは絶対ぜったいなくならない」。小中学生しょうちゅうがくせいの子こども3人にんが不登校ふとうこうだという40代だいのお母かあさんは、こう言いいます。子こどもたち自身じしんにも不安ふあんがあります。2020年度ねんどに文科省もんかしょうが実施じっしした調査ちょうさでは、欠席けっせき中ちゅうの気持きもちを尋たずねる質問しつもんに対たいし、小学生しょうがくせいの63.8%、中学生ちゅうがくせいの74.2%が「勉強べんきょうの遅おくれに対たいする不安ふあんがあった」と回答かいとうしています。
文科省もんかしょうは誰だれでも安心あんしんして学まなべる環境かんきょうを確保かくほするため、「学まなびの多様化たようか学校がっこう」や「校内こうない教育支援きょういくしえんセンター(SSR)」などをさらに増ふやす方針ほうしんです。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも増ふやし、相談そうだん体制たいせいを充実じゅうじつさせます。民間みんかんのフリースクールやオンライン学習がくしゅうもあります。ただ、校外こうがいで勉強べんきょうしたことが、学校がっこうの成績せいせきとして評価ひょうかされるのは、まだ少すくないのが現状げんじょうです。
自分じぶんのペースでいい
大阪市おおさかしは校外こうがいで学まなべる「教育支援きょういくしえんセンター」を市内しない3か所しょに開設かいせつしています。小中学生しょうちゅうがくせい334人にんが登録とうろく(今年ことし9月がつ末まつ現在げんざい)しています。学校がっこうの統廃合とうはいごうで使つかわれなくなった校舎こうしゃなどを利用りようしており、児童生徒じどうせいとは元もとの学校がっこうに在籍ざいせきしたまま通かよいます。
センターは午前ごぜん10時じからですが、行いく時間じかんは子こどもが決きめます。30分ぷん授業じゅぎょうで6時間じかん目めまであり、元もとの学校がっこうで学まなぶ内容ないようを自習じしゅうします。学習がくしゅう動画どうがコンテンツ「スタディサプリ」の視聴しちょうも可能かのうです。3、6時間じかん目めは読書どくしょや特別活動とくべつかつどうの時間じかんで、卓球たっきゅうやボードゲーム、イラスト制作せいさくなどさまざまな取とり組くみがあります。この時間じかんを楽たのしみに登校とうこうする子こが多おおいそうです。カウンセリングもあります。
大阪市教育委員会おおさかしきょういくいいんかいの山中やまなか建けんさんは「自分じぶんのペースでいいので、まずは来きてもらえたら」と話はなしています。
不登校の児童生徒の学習や特別活動を支援する教育支援センター桃谷。リラックスルームにはカーペットやソファがあり、落ち着いた雰囲気で過ごせる
いじめも最多さいた76万まん件けん
小中しょうちゅう高校こうこうと特別支援学校とくべつしえんがっこうでのいじめの認知件数にんちけんすうは、2024年ねん度どで76万まん9022件けんと、これまでで最もっとも多おおくなりました。4年ねん連続れんぞくの増加ぞうかです。このうち小学校しょうがっこうは1万まん7347校こうで61万まん612件けん起おきています。学年がくねん別べつでは小学しょうがく2年ねんが最多さいたで11万まん7867件けんでした。
いじめの内容ないようは、小学校しょうがっこうでは「冷ひやかしやからかい、悪口わるぐちなど」が最もっとも多おおく、57.5%。次ついで「軽かるくぶつかる、遊あそぶふりをしてたたく・ける」が24.5%でした。「パソコンや携帯電話けいたいでんわなどで中傷ちゅうしょう(悪口わるぐち)や嫌いやなことをされる」は1.9%ですが、高校こうこうでは13.9%です。全体ぜんたいとしても年ねん々ねん増ふえています。
また心身しんしんに深刻しんこくな被害ひがいが生しょうじている恐おそれのある「重大じゅうだい事態じたい」は全体ぜんたいのうち1405件けんで過去最多かこさいたとなりました。小学校しょうがっこうでは586件けんあり、このうち415件けんは「いじめのために学校がっこうを長期間ちょうきかん休やすんでいる疑うたがい」があります。
(2025年ねん12月がつ10日とおか毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)
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小中学校の不登校、過去最多35万人に【ニュース知りたいんジャー】
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