縄文人はスーパースター!?【月刊Newsがわかる11月号】

戦場での人命救助 国際赤十字って何?【ニュース知りたいんジャー】

世界《せかい》では今《いま》も、戦争《せんそう》が続《つづ》いています。お互《たが》いを敵《てき》とみなして殺《ころ》し合《あ》う戦争《せんそう》は避《さ》けなければなりませんが、起《お》きてしまったとしても、けが人《にん》を助《たす》けなければならないなどの国際《こくさい》ルールがあります。そのルールを広《ひろ》め、少《すこ》しでも尊《とうと》い命《いのち》を守《まも》ろうとする国際《こくさい》赤十字《せきじゅうじ》の取《と》り組《く》みを、知《し》りたいんジャーと考《かんが》えてみましょう。

 戦場《せんじょう》でけがしたら助《たす》からないの?

 戦争《せんそう》は残酷《ざんこく》です。国《くに》の軍隊《ぐんたい》や武装集団《ぶそうしゅうだん》が対立《たいりつ》する相手《あいて》を襲《おそ》い、土地《とち》や民族《みんぞく》、宗教《しゅうきょう》などを巡《めぐ》る争《あらそ》いで自分《じぶん》の主張《しゅちょう》を有利《ゆうり》に実現《じつげん》しようとします。兵士《へいし》だけではなく一般市民《いっぱんしみん》も巻《ま》き込《こ》まれ、多《おお》くの人《ひと》が亡《な》くなったり傷《きず》ついたりしています。

 戦場《せんじょう》でけがをして動《うご》けなくなったら、命《いのち》を落《お》とすしかないのでしょうか。実《じつ》は、世界《せかい》のほとんどの国《くに》は「敵味方《てきみかた》を問《と》わず傷病《しょうびょう》者《しゃ》を助《たす》け守《まも》らなければならない」「一般市民《いっぱんしみん》を攻撃《こうげき》してはいけない」などの考《かんが》え方《かた》で一致《いっち》し、国際人道法《こくさいじんどうほう》と呼《よ》ばれる国際《こくさい》条約《じょうやく》をいくつも結《むす》んでいます。

 基本《きほん》となる四《よっ》つのジュネーブ条約《じょうやく》を結《むす》んだ国《くに》は、国際連合《こくさいれんごう》に加盟《かめい》する193より多《おお》い196か国《こく》・地域《ちいき》もあり、戦争《せんそう》だからといって何《なに》をしてもよいわけではない、という考《かんが》えが世界共通《せかいきょうつう》のルールになっています。国際人道法《こくさいじんどうほう》が守《まも》られれば、尊《とうと》い人命《じんめい》の犠牲《ぎせい》を減《へ》らせるのです。

 どうして戦争《せんそう》にルールができたの?

 スイス人《じん》の実業家《じつぎょうか》、アンリー・デュナンが1859年《ねん》、フランス軍《ぐん》とオーストリア軍《ぐん》との激戦《げきせん》地《ち》となったイタリア北部《ほくぶ》ソルフェリーノを訪《おとず》れた時《とき》のことです。4万人《まんにん》の死傷《ししょう》者《しゃ》を出《だ》した戦闘《せんとう》の数時間《すうじかん》後《ご》、デュナンは多《おお》くのけが人《にん》がうめき、苦《くる》しむ姿《すがた》を目《ま》の当《あ》たりにしました。そして1862年《ねん》に「ソルフェリーノの思《おも》い出《で》」という本《ほん》を出版《しゅっぱん》し、傷病《しょうびょう》兵《へい》の救護《きゅうご》組織《そしき》を設《もう》け、国際《こくさい》的《てき》な取《と》り決《き》めを結《むす》ぶことを提案《ていあん》しました。

 デュナンは1863年《ねん》、この本《ほん》の提案《ていあん》に賛同《さんどう》した法学者《ほうがくしゃ》、軍人《ぐんじん》、医師《いし》らと5人《にん》で負傷《ふしょう》兵《へい》を救《すく》うための委員会《いいんかい》を結成《けっせい》し、後《のち》に赤十字国際委員会《せきじゅうじこくさいいいんかい》(ICRC)と名称《めいしょう》を改《あらた》めました。スイスのジュネーブに本部《ほんぶ》を置《お》くICRCが「国際人道法《こくさいじんどうほう》の守護者《しゅごしゃ》」と呼《よ》ばれる役割《やくわり》を担《にな》い、日本赤十字《にっぽんせきじゅうじ》社《しゃ》を含《ふく》む世界中《せかいじゅう》の赤十字《せきじゅうじ》運動《うんどう》の起源《きげん》となったのです。

 デュナンは1901年《ねん》に第《だい》1回《かい》ノーベル平和賞《へいわしょう》を受賞《じゅしょう》しました。

 マークにはどんな意味《いみ》があるの?

 ICRCや日本赤十字《にっぽんせきじゅうじ》社《しゃ》など各国《かっこく》・地域《ちいき》の赤十字《せきじゅうじ》が使《つか》う白地《しろじ》に赤《あか》い十字《じゅうじ》のマークは、赤十字《せきじゅうじ》の救護《きゅうご》員《いん》、軍《ぐん》や武装組織《ぶそうそしき》の医療《いりょう》部隊《ぶたい》だと識別《しきべつ》してもらい、攻撃《こうげき》されないようにするためのものです。使《つか》い方《かた》は国際法《こくさいほう》などで定《さだ》められ、一般《いっぱん》の医薬品《いやくひん》や病院《びょういん》などに使《つか》うことは禁《きん》じられています。

 このデザインは、デュナンの祖国《そこく》に敬意《けいい》を払《はら》い、赤地《あかじ》に白《しろ》い十字《じゅうじ》を描《えが》いたスイス国旗《こっき》の色《いろ》を反転《はんてん》させて作《つく》りました。一方《いっぽう》、十字《じゅうじ》のデザインがキリスト教《きょう》を連想《れんそう》させると考《かんが》えたイスラム教《きょう》の多《おお》くの国《くに》では、赤《あか》い三日月《みかづき》のマークと赤新月社《せきしんげつしゃ》の名称《めいしょう》を用《もち》いるようになりました。2005年《ねん》からは、ひし形《がた》の「赤《あか》いクリスタル」が新《あたら》しいマークとして追加《ついか》されました。

 紛争《ふんそう》地《ち》で活動《かつどう》するICRCとは別《べつ》に、191の赤十字社《せきじゅうじしゃ》、赤新月社《せきしんげつしゃ》などが国際赤十字《こくさいせきじゅうじ》・赤新月社連盟《せきしんげつしゃれんめい》をつくり、自然災害《しぜんさいがい》時《じ》の被災者支援《ひさいしゃしえん》などに取《と》り組《く》んでいます。

 紛争《ふんそう》地《ち》でどんな活動《かつどう》をしているの?

 ヨーロッパのウクライナではロシアとの戦争《せんそう》が、中東《ちゅうとう》パレスチナのガザ地区《ちく》ではイスラエルとイスラム組織《そしき》ハマスとの戦闘《せんとう》が続《つづ》いています。ICRCは、こうした紛争《ふんそう》地《ち》でその国《くに》・地域《ちいき》や周辺《しゅうへん》の赤十字《せきじゅうじ》・赤新月社《せきしんげつしゃ》と連携《れんけい》し、さまざまな活動《かつどう》をしています。

 1月《がつ》時点《じてん》でウクライナではスタッフ943人《にん》が、イスラエルとパレスチナでは718人《にん》が、負傷者《ふしょうしゃ》の救護《きゅうご》や水《みず》・食料《しょくりょう》などの人道《じんどう》物資《ぶっし》の援助《えんじょ》に加《くわ》え、破壊《はかい》されたインフラを直《なお》したり、離《はな》ればなれになった家族《かぞく》をつないだりしています。事業《じぎょう》全体《ぜんたい》を見《み》ると、医療《いりょう》分野《ぶんや》以外《いがい》の援助《えんじょ》、保護《ほご》活動《かつどう》が大半《たいはん》を占《し》めています。

 世界《せかい》約《やく》90か国《こく》にいる約《やく》1万《まん》8000人《にん》のICRCスタッフは、どの勢力《せいりょく》にも味方《みかた》しない中立《ちゅうりつ》の立場《たちば》を守《まも》っています。しかし、近《きん》年《ねん》の紛争《ふんそう》では赤十字《せきじゅうじ》の車両《しゃりょう》が攻撃《こうげき》されたり、赤十字《せきじゅうじ》マークを偽装《ぎそう》した車両《しゃりょう》が軍事《ぐんじ》目的《もくてき》で使用《しよう》されたりするなど、現場《げんば》の活動《かつどう》が困難《こんなん》に直面《ちょくめん》するケースが増《ふ》えてきました。

 日本《にっぽん》の赤十字《せきじゅうじ》は何《なに》をしているの?

 日本
《にっぽん》
では1877年
《ねん》
に起
《お》
きた内戦
《ないせん》
の西南戦争
《せいなんせんそう》
で、敵味方
《てきみかた》
を問
《と》
わず傷病
《しょうびょう》兵
《へい》
を救護
《きゅうご》
する博愛社
《はくあいしゃ》
が活動
《かつどう》
を始
《はじ》
めました。明治政府
《めいじせいふ》
がジュネーブ条約
《じょうやく》
に加盟
《かめい》
したことを受
《う》
け、1887年
《ねん》
に名前
《なまえ》
を変
《か》
えて日本赤十字
《にっぽんせきじゅうじ》社
《しゃ》
となりました。

 献血《けんけつ》事業《じぎょう》で知《し》られているほか、国内《こくない》や海外《かいがい》で自然災害《しぜんさいがい》の被災地《ひさいち》を支援《しえん》したり、ICRCの呼《よ》びかけに応《こた》え紛争《ふんそう》地《ち》での人道支援《じんどうしえん》活動《かつどう》に取《と》り組《く》んだりしています。ウクライナでは現地《げんち》の赤十字社《せきじゅうじしゃ》と協力《きょうりょく》し、巡回《じゅんかい》診療《しんりょう》を支援《しえん》したり物資《ぶっし》を届《とど》けたりしています。パレスチナのガザ地区《ちく》では2024年《ねん》5月《がつ》、現地《げんち》の赤新月社《せきしんげつしゃ》と連携《れんけい》し、ICRCが赤十字野外病院《せきじゅうじやがいびょういん》を開設《かいせつ》。日本《にっぽん》のほか、他国《たこく》の赤十字《せきじゅうじ》13社《しゃ》が参加《さんか》して運営《うんえい》しています。

 また、赤十字《せきじゅうじ》の精神《せいしん》に基《もと》づき世界平和《せかいへいわ》に貢献《こうけん》できるよう、各地《かくち》の学校《がっこう》や幼稚園《ようちえん》で青《せい》少《しょう》年《ねん》赤十字《せきじゅうじ》(ジュニア・レッドクロス=JRC)の結成《けっせい》を呼《よ》びかけ、国際交流《こくさいこうりゅう》や防災《ぼうさい》教育《きょういく》、地域《ちいき》のボランティア活動《かつどう》などを進《すす》めています。

(2025年ねん11月がつ4日よっか毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

雑誌のご購入ご希望の方は「ブックサービス」まで

上のバナーをクリックすると「ブックサービス」につながります。