日本でも実際に、アニマルウェルフェアを考えながら動物を飼育している現場があります。アニマルウェルフェアを実践する養鶏所、動物園、水族館を訪ねてみました。(「Newsがわかる2025年6月号」より)
養鶏所 ねごやファーム
◆与えるのは穀物中心
神奈川県相模原市で祖父の代から養鶏をいとなむ石井好一さんはニワトリ約2200羽とヒヨコ約1000羽を飼育し、毎朝2000個以上の卵を収穫しています。たいていの養鶏場でニワトリを2羽入れるケージ(かご)に1羽しか入れないことで、トリのストレスをへらしています。
いい卵を産んでもらうために力を入れているのが良質のえさをやることです。高品質のトウモロコシに大豆かすと魚粉を加えたもので、カロリーを上げて産卵をうながすための油脂は加えていません。穀物中心に与えているおかげで鶏舎独特のにおいが少なく、石井さんが「素直な味」というように卵にもくせがありません。