私たちの生活にあふれている商品のパッケージ。じっくり見たり、読んだり、触れたりしたことはありますか? 実はパッケージには、情報の伝達や中身の保護、使い勝手のよさといった役目を果たしながら、工夫に工夫が重ねられています。パッケージに仕掛けられたその工夫を見つけてみませんか!(「Newsがわかる2025年1月号」より)
「必要な情報を誰にでもわかりやすく伝えられるパッケージを目指しています」というのは、カレールウやスパイス製品でおなじみのハウス食品。「おいしそう! 作ってみたい!とワクワクして、つい手に取りたくなる工夫を凝らしています」と同社広報担当の伊藤桃菜さんは語ります。何よりもカレーがおいしそうに見える写真をパッケージの顔にして、すぐに「ハウスのルウカレーだ」とわかる統一感も大切にしているそうです。
特にこだわっている表示が、辛さのレベル。一目でわかるように「甘口」「中辛」「辛口」で色を分け、ハウスのほかの商品の辛さがわかる「辛味順位表」も示しています。
また、カレーの作り方の表示にも力を入れています。「このカレールウのおいしさを最大限に引き出せる材料や分量、作り方を研究し、その手順もわかりやすくイラストで説明しています。ぜひ一度、この通りに作ってみてください。おいしくできるはずですよ!」と伊藤さん。この商品は、品質表示を確認する部をはじめ複数の部署や研究所と協力して作っているそうです。

ハウス食品の「バーモントカレー<甘口>」。食欲を刺激するみずみずしいカレーの写真は、盛り付けや撮り方にこだわっている。辛さのレベルは目立つ場所に表示(ハウス食品提供)
◆材料、作り方手順
材料の野菜の分量は具体的にグラムでも表記。作り方はイラストを入れてわかりやすく。レシピはおいしく作る方法を研究する部署が考案しました。

◆識別マーク
容器包装リサイクル法に基づいて分別方法が誰にでもわかるようマークを表記。「FSC」はきちんと管理された森林から生産された紙を使っている印。

◆辛味順位表
ハウス食品が業界に先駆けて1972年から表示しています。この商品が「どれくらい辛いか」を店頭でイメージしやすくするための指標となっています。

◆賞味期限は年月のみ
「おいしく食べられます」という意味の賞味期限は、年月日ではなく年月で表示。食品ロスの低減につながる工夫です。

◆ルウトレー
ルウを手で割りやすいよう、さらに運ぶ時に割れないよう、トレーの底の形が工夫されています。薄いトレーだが、実は複数の層からできていて、香りを逃がさない層、湿気を防ぐ層などがあります。

◆しまえルウ
ルウを半分だけ使った場合、フィルムをあける前なら、外箱を折り込んでコンパクトに保管できます。ふたになる上、作り方や成分表示などは見えるようになっています。

コショウなどの乾燥スパイスは、しけるのを防ぎ、中身が見えやすいガラスびんを使用。びんの大きさは、にぎりやすさと容量で決めています。

(写真:ハウス食品提供)
上から見てもわかるように、ふたの上部にも品名を印字しています。また、ふたの上側にの裏側には「でっぱり」があり、穴をふさぎ、もれたり、しけったりするのを防ぐぎます。
開け口は、片手でキャップをあけ、中身をふり出せるように指がフィットする形になっています。しめた時には、音や感触でしまったことを伝えます。

レトルト市場で長年愛されてきた「咖喱屋カレー」。箱をあけてふたを折り返し、そのまま電子レンジに入れて温められます。
また、レンジ調理は、湯せんに比べて二酸化炭素の排出量を約80%削減できます。さらに、2024年8月からレンジ対応のパウチの蒸気口の位置や形状を調整して、容量はそのままに外箱とパウチサイズを5ミリ小さくしました。これにより年間でプラスチック30.9トン、紙資源135トンの使用量削減を見込んでいます。

(写真:ハウス食品提供)
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