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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

シールはなぜくっつくの?【疑問氷解】

Q シールのペタペタするところは、どうしてくっつくの?(埼玉県東松山市・中1)

粘着剤がはりつける役割

 A ペタペタする部分は粘着剤です。シールは、紙やフィルムに粘着剤を塗ったものです。粘着剤の原料には、ゴム、アクリル、シリコンなどがあり、用途や貼る素材によって使い分けています。

 しかし、なぜ粘着剤がくっつくのかは解明されていません。圧力によって粘着剤と紙が接触する面積が広くなる「ぬれ広がり効果」、粘着剤が紙の表面のでこぼこに入り込む「アンカー効果」、紙と接着剤の分子(物質を作る小さな粒同士)に電気的な力が働き引きつけ合う「分子間力効果」などの説があります。

 ペタペタが強いからといって、粘着力が強いわけではありません。しっかり貼れて、はがせる付せんがあります。「ポスト・イット®ノート」を発売している「住友スリーエム」(本社・東京都品川区)の菅井直仁さんは「ポスト・イット®ノートの粘着剤は、シールや粘着テープと違い球状の形をしています」と話します=イラスト。

 「ポスト・イット®ノート」は、1980年にアメリカで発売されました。ところがこの粘着剤は、10年以上も前に発明されていました。1969年、3M社研究員のスペンサー・シルバーが粘着力の強い粘着剤の開発に取り組んでいましたが、「よくつくけれど、簡単にはがれてしまう」粘着剤ができてしまいました。当時は失敗作として、製品化されませんでした。

 74年のある日曜日。別の3M社研究員アート・フライが教会で賛美歌を歌っているときに、歌集のページからしおりがひらりと落ちました。この瞬間、「のりのついたしおり」の開発を思いつきました。こうして長い年月をへて、発売にいたったのです。

 これまでは粘着力の強さばかりが求められていましたが、粘着力とはがしやすさの両方が求められるようになり、養生テープなど付せん以外でも用途が広がっています。【毎日小学生新聞編集部・篠口純子】

              (「疑問氷解 Vol.8(毎日小学生新聞)」より)