元日に発生した能登半島地震による大きな被害は、地震の怖さを改めて見せつけました。地震大国である日本で暮らす私たちは恐れるだけでなく地震が起きるしくみを学び、被害を少しでも減らすために備えることが大切です。(「Newsがわかる2024年6月号」より)
1月1日午後4時10分、石川県の能登半島の先端を震源(地震が発生したところ)とするマグニチュード7.6の能登半島地震が発生しました。
石川県輪島市、志賀町で最大震度7を記録し、富山県や新潟県などを含む広い地域でも強い揺れを観測しました。石川県では245人(4月19日現在)が亡くなり、約2万4000棟の建物が全半壊するなど大きな被害が出ました。
能登半島では2020年12月ごろから、集中的に繰り返し地震が起きる群発地震が続いていました。昨年5月にはマグニチュード6.5、最大震度6強を観測しましたが、今回はその40倍以上のエネルギーを持つ大きな地震でした。震源の深さが約16キロと比較的浅かったために高い津波が起こりやすくなり、東日本大震災(2011年3月)以来の大津波警報も出されました。

被災地は人口減少と住民の高齢化が特に進んでいる地域です。古い木造住宅などの耐震(建物などが柱やかべの構造で地震のゆれに耐えること)化が遅れた建物が多く、地震で亡くなった人の約8割が倒れた建物の下じきになったとみられています。
地震で道路や港が壊れて救助活動が遅れたり、水や食料品、医薬品などの支援物資を届けるのが難しかったりしたことも明らかになっています。

能登半島地震で地割れし、崩れた道路に落ちた乗用車=石川県穴水町で1月2日
今回の地震では一番多い時に約4万戸が停電し、約11万戸が断水(水道が使えなくなること)しました。
地震発生から1カ月後、停電はほとんどなくなりましたが、断水は輪島市や珠洲市などを中心に約4万戸で続き、3カ月後の4月になっても約6680戸で続きました。避難者は石川県を中心に最大約3万4000人に上りました。
4月16日現在、家を失った人など5449人が不便な避難生活を続けています。

断水が続き、町内に設けられた給水場所に訪れた人たち=石川県能登町で1月31日
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