みなさんは、夜ふとんに入ってから朝までぐっすりと眠っていますか。睡眠中の9~10時間に、脳は昼間経験したことを記憶し、体と心の健康を守るためのさまざまな働きをしています。何が起こっているのか、探ってみましょう。(「Newsがわかる2023年6月号」より)
◆ノンレム睡眠「記憶を整理し、固定化する」
私たちは眠りにつくと、まず「ノンレム睡眠」という状態に入ります。ノンレム睡眠中に行われているのは、情報処理機関としての脳の整理整とんです。
脳は1000億近い神経細胞(ニューロン)でできています。長期記憶をするには、ニューロンのつなぎ目となるシナプスの強化が必要で、勉強したり、ものごとを体験したりして脳を働かせれば働かせるほど、シナプスは強くなります。ところが、あまり強くなると情報が多くなりすぎ、脳自体が処理しきれなくなってしまいます。
そこで、シナプスの強度をちょうどいい具合に下げ、大事なことだけをしっかり覚え込めるような状態に整えておく必要があります。脳はその作業を何らかのメカニズムでノンレム睡眠中に行っていると考えられています。
◆レム睡眠「なぜ? 活発に働いている脳」
ノンレム睡眠と入れ替わる形で、つぎは「レム睡眠」という状態に入ります。この時、脳はさかんに活動中。意識こそありませんが、むずかしい算数の問題を解いているのと同じくらいの働き方をしています。
さらに、体を動かすシステムも働いており、わざわざ運動神経をまひさせる信号を送って体が動くのを止めています。ふしぎなレム睡眠ですが、何のためにあるのかよくわかっていません。
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