いよいよ夏休みがやってきます。新型コロナウイルスが第5類感染症へ移行して初めての長い休みには、気軽に博物館や庭園を訪ねて、五感を使ってさまざまな“体験”をしてみませんか。もしかしたら、夏休みの自由研究も片付いてしまうかもしれません!
東京・上野公園内にある東京国立博物館には、実に6つもの展示館があります。
1938年に開館した本館では日本美術を、1999年開館の平成館では日本の考古を、1968年に開館した東洋館では東洋美術を、1999年開館の法隆寺宝物館では法隆寺献納宝物を展示しています。さらに、特別展や催し物会場となる表慶館(1909年開館)、敷地外に洋画家黒田清輝の作品を展示する黒田記念館(1928年開館)があります。どの建物もその時代を代表する建築家が設計しており、建築も必見です。
また、平成館の2階は特別展専用の展示室となっており、年に数回、魅力ある展覧会を開催しています。
嵐の神の壁画 テオティワカン文明 350~550年 テオティワカン サクアラ出土 メキシコ国立人類学博物館蔵
35もあるメキシコの世界遺産の中でも、高い人気を誇るのが古代都市の遺跡群です。紀元前15世紀から後16世紀にスペインが侵攻するまでの3000年以上にわたり、多様な環境に適応しながら、独自の文明が花開きました。
平成館で開催中の特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」では、「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点を当て、その至宝の数々を紹介します。
チャクモール像 マヤ文明 900~1100年 チチェン・イツァ ツォンパントリ出土 ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿蔵
暦や文字などの知識を持つ王や貴族を中心に、独自の高度な文明を築いていた古代メキシコ。その一方で、人々は、火山の噴火や地震、干ばつなどの厳しい環境の中で、神に祈るための儀礼や、動物や時に人間をいけにえ(生きたまま神に供えること)とする儀式を発展させたのです。こうして自然と闘いながらも、神をうやまい、おそれ、祈りをささげていました。
今に残る古代都市の遺跡群の出土品から、当時の人々の暮らしや信仰に思いをはせてみましょう。
人の心臓形ペンダント アステカ文明 1486~1502年 テンプロ・マヨール 埋納石室174出土 テンプロ・マヨール博物館蔵
会期:9月3日(日)まで
住所:東京都台東区上野公園13−9(JR・上野駅公園口、または鶯谷駅南口より徒歩10分)
開館時間:9:30~17:00(土曜は19:00まで)
※総合文化展は17:00閉館 ※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜、7月18日(火) ※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館
※プレゼントの応募受付は終了しました。