Woodを使ってGoodな未来へ【月刊Newsがわかる5月号】

スクールエコノミスト2026 WEB【共立女子中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は共立女子中学校を紹介します。

生き方の軸をつくるリーダーシップ開発。生徒たちは、今いる場所で花を咲かせる

<注目ポイント>
①早期から総合コミュニケーション力と探究研究の手法を身につける。
②成果よりも過程を重視し、独創的な発想力と生き方の軸を確立する。
③興味の芽を生き生きと育てる、他校にはないユニークな部活動。

強みの気づきと課題解決スキルの習得

 女性の活躍の機会が限られていた明治時代、社会で自立して生きる女性の育成を目指して創立された共立女子。景山誠校長は「創立当時は和裁や洋裁などの実学が中心でしたが、それを生かして社会に参画していくには、人と結びつかなければならない。校訓の『誠実・勤勉・友愛』は、他者に誠実で、周囲のために培った力を生かし、人と人とが共に生きる関係を大切に育む姿勢を示しています。受け継がれてきた校訓の精神は現代のリーダーシップのあり方にも通じるものがある。一部の人が上に立つのではなく、全員が自分の強みと個性を生かしてチームのために何ができるかを考えて行動するシェアド・リーダーシップが注目されていますが、本校が軸としてきた価値観に重なります」と語る。

 教育方針の一つとして掲げる「共立リーダーシップ」は、伝統の精神を現代社会に即して再定義したもの。一人ひとりが主体性を持って社会参画する礎を築くことを目指した中高横断型の探究活動に取り組んでいる。

 カリキュラムは入学直後からスタート。導入として、まだ出会って間もない生徒同士がチームでペーパータワーなどのワークに取り組む。皆で目的を共有し、各自の得意を見極めながら協力するプロセスそのものが学びとなる。活動後には振り返りを行い、自分が担った役割や他者の秀でた部分、どのような声がけやフィードバックがチームに影響したかなどを言語化。生徒は集団の中での自分の役割や強みを、実感を伴いながら気づく。

 中学では学校紹介や地域連携などの身近なテーマを扱った活動に取り組みながら、課題設定から考察、結論を導くといった研究の基本的手法も身につけていく。

一生ものの「自分軸」を見つける

 高校では生徒自身がテーマを設定し、課題解決研究に取り組む。探究担当の金井圭太郎教諭は語る。「テーマ設定では一般的に評価されやすいものやSDGsに寄りがちですが、まずは自分のアンテナを大切にしてもらいたい。私たちが見ているのは、結果ではなくプロセス。たとえ正しい答えが出せなくても、思考の軌跡そのものが学びなのです」

 生徒からは10代ならではの柔軟な発想を生かしたテーマが立ち上がる。「日本と海外のグミの硬さの違い」「アニメや実写のキャラクターのイメージカラーが人気におよぼす影響」「落書きと作品の境界線」など、実に多様だ。アウトプットはレポートやポスターだけでなく、動画や漫画など、表現方法も生徒に委ねられている。

 景山校長は「自分の問題意識やこだわりを見つけられるようになることが目標です。大学の学びにつながることもあると思いますが、私たちが見据えているのは、さらに先。今の時代における自立とは、経済的な側面だけでなく、自分の意思を持って道を切り開いていく姿勢も欠かせません。自分は何を大切にして生きるのか、何にこだわり続けたいのかという軸をしっかりと持っていれば、たとえ仕事や環境が変わろうとも、社会や周囲に流されることなく、自分自身を起点に社会とかかわっていくことができます」と語る。

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