Q:大人がいないとき、地震が起きたらどうする?
学校なら大人がいる 安全な経路で戻って
A 地震はいつ、どこで起きるか分かりません。親や先生などの大人がいない時に起きたら、子どもたちはどうすればよいのでしょう。防災教育に取り組む地震学者で、慶応大学環境情報学部(神奈川県藤沢市)の大木聖子准教授に教えてもらいました。
一人で家で留守番をしている時に地震が起きたら。大木さんは「学校にまず戻ってください。うちの小3の息子にもそう言っています」と話します。家具は倒れないよう壁に固定しておくことや、揺れの間は体を守る行動を取ることなどは、ここでは省略します。
なぜ学校なのでしょうか。学校は、親が仕事などから帰る前の時間はだいたい先生がいるし、役所の職員も駆けつけます。校舎は普通の住宅より耐震性があります。一方、親は電車が止まるなどして何日も帰れないかもしれません。停電して真っ暗になった家で一人、余震に耐え続けられる子どもは多くないでしょう。また都市部では、歩いて7~8分の範囲で火災の煙が2本上がったら、もう人混みで動けなくなるそうです。そういう時、逃げる判断を一人でいる子どもにさせるより、災害の研修を受けている先生に引率してもらった方が安全です。
揺れがいったん収まったら学校へ向かいます。大木さんは「引き渡し訓練の時、避難経路を親子で点検しながら歩いてください」と言います。細い道より広い道を行き、ブロック塀のある所は反対側を歩きます。看板や重い自動販売機なども要注意です。すぐ逃げられるよう、玄関に防災ヘルメットと非常用持ち出し袋を置いておくといいです。玄関ならいつも目に入ります。
学区が広く学校が遠いなら、途中の公民館などに行きます。ご近所が頼りになるかは地域にもよりますが、訓練を受けた人でないと人の命を守るのは難しく、駆け込んだ家も壊れるかもしれません。
では、塾などの行き帰りの途中だったら。大木さんは、駅なら駅員さんの言うことをよく聞く、そして電車が止まっていたら駅の近くの学校に行くよう勧めます。ただこれは判断が難しく、親子で普段から話し合い、ちゃんと決めておくのが大事です。駅と駅の間で電車が止まったら、車内に残るか、線路を歩くか、車掌さんの指示に従います。塾の近くだったら、塾へ行ってもいいでしょう。多くの塾は防災対策をしています。入塾の時に確認してください。
また、ずっと親と連絡が取れないと、不安になるかも。使える環境ならLINEやショートメール、伝言サービスを使ってもいいでしょう。でも「生きていればいつか会える、と約束しておくことが、何より大事です」と大木さんは言います。「たとえ何日も連絡できなくても、私は職場にいるから、あなたも学校にいてね。かならず迎えに行くから」と約束するのです。約束を守るため、親もあせらずに自分の身を守り、職場には防災ヘルメットを備えてください。
能登半島で起きたような活断層の地震は、全国どこでも起きる可能性があります。大木さんは「震災は『ぶっつけ本番』で何とかなるものではありません。だからいろいろな対策を考えて、備えておくけれど、それでもそれを上回ることが起きます。考えてすらいないのは、とても危険です」と警告しています。【毎日小学生新聞編集部・山田大輔】
(毎日小学生新聞2024年1月22日掲載)

宮城、福島両県で震度6強の地震を観測した1カ月後も、道路側に傾いたままのブロック塀=福島県相馬市内で2022年4月15日、尾崎修二撮影
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