寝る子は育つ睡眠学【月刊Newsがわかる1月号】

NY駅伝2026 この選手に注目!【1】

70回の節目を迎えるニューイヤー駅伝。今年も各チームのスター選手がしのぎを削ります。その中から、特に注目の選手をピックアップして紹介します。(ニューイヤー駅伝2026inぐんま 第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会公式ガイドブックより)

 葛西 潤(旭化成)

 2連覇がかかる旭化成のエース。東京世界陸上1万メートルでは22位と、世界の壁に跳ね返されたが収穫があったという。
「昨年のパリ五輪(20位)はハイペースで、最初から最後尾の方しか走れず、同じレースを走っていると思えませんでした。東京はスローだったこともあり、先頭に出たり、前に出るのを我慢したり、パリよりもレースをさせてもらえましたね。連続出場して物じしなくなりました」
 葛西が目指すのは、27年北京世界陸上、28年ロサンゼルス五輪で入賞すること。そこに向けてのプロセスとして、駅伝を活用する。
「ニューイヤー駅伝の後半区間に向けて走り込んで脚づくりをすることも、前半区間に対応できるスピードを付けることも、どちらも1万メートルにつなげられます」
 葛西は24年大会が5区で区間2位、25年は3区で再び区間2位だった。特に前回は同期入社の長嶋幸宝そなたが1区で、井川龍人が7区で区間賞を取った。
「今回こそ自分も区間賞を取って2連覇に貢献したい。3年目は今まで以上に頼りにされる走りをしたいですね」
 駅伝の区間賞とチームの連覇が、1万メートルでも世界に近づく道となる。

 小山直城(Honda)

 今夏に行われた東京世界陸上男子マラソンは、パリ五輪と同じ23位。しかし「パリでは20キロくらいで先頭と離されましたが、今回は30キロ付近までつけました。少しは成長を実感できました」と、1年前以上の走りができたことに手応えを得た。つかの間の休息後、チームに合流した。
「自分の課題はスピード。駅伝に向けた練習はマラソンにもつながる」とここまで意欲的に強化に取り組んでいる。
 ニューイヤー駅伝は22年は3区で9人抜きの走りで初優勝に貢献し、23年は4区でチームをトップに押し上げ、連覇の立役者となった。ただ前々回、前回と小山自身は崩れることなくつないだが、チームは優勝にわずかに手が届かず、悔しさを味わった。
「安定感は自分の武器。ただ自分には爆発力が足りません。それを発揮するために、考えすぎず無の心境で走り、まだ取ったことのない区間賞を目指します」 
 最長区間2区へのこだわりはなく、優勝のためであればどの区間でもいくと話す。26年のアジア大会もマラソンで代表入りし、結果を残すためにも、ここで新たな自分の可能性を開拓し、爆発力のある走りを見せるつもりだ。

 太田智樹(トヨタ自動車)

 2月の香川丸亀国際ハーフで、この種目日本人初の60分切りとなる59分27秒の日本記録を樹立。しかし、本人は「自分は勝負を重視しています。タイムは勝負を求めた結果で、コンディションやペースなど複数の要素がタイミングよく合ったことが要因です」と、狙って出したものではないと強調する。同時に「ハーフも1万メートルの延長と考えられるようになり、レースペースの基準が上がった」と自身の成長を実感できたことを喜ぶ。
 しかし今季はその後、思うような結果を残せなかった。日本選手権1万メートルは8位。5月のセイコーゴールデングランプリ3000メートルではスタート直後に転倒し、右肩を剝離骨折。回復後もその影響で走りのバランスを崩したこともあり、本格的な復帰まで時間を要している。しかし、本人は「ニューイヤー駅伝には間に合わせます。過去、4回走っていますので、復帰戦がいきなり駅伝でも問題ありません」と前向きだ。
 2大会前にはコース変更で最長区間となったばかりの2区で区間賞を獲得し、優勝への道筋を作った。コンディションさえ戻ればその強さは折り紙付き。トヨタの2大会ぶりの栄冠のためにこのエースの復帰が不可欠だ。

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