2025年 重大ニュース【月刊ニュースがわかる12月号】

高専に行こう! 沖縄高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は沖縄高専を紹介!

 沖縄工業高等専門学校は、沖縄県と関係市町村及び産業界からの強い要請で、平成16(2004)年に開校しました。ものづくりの基盤である「機械システム工学科」、電気・電子の仕組みからICT基盤技術までを体系的に学ぶ「情報通信システム工学科」、情報工学の基礎技術を学び情報化社会における課題解決に取り組む「メディア情報工学科」、亜熱帯性資源をはじめとする生物資源の有効活用とライフサイエンス分野の技術者育成を担う「生物資源工学科」の本科4学科と、本科卒業生等に高度な専門技術教育を行う専攻科で構成され、地域社会で活躍できる技術者養成と社会貢献を志向した教育・研究活動を実施しています。
 本校の卒業生は、各種製造業、航空機産業、情報通信産業、医療、食品、ライフサイエンス、インフラ、一次産業の情報化などの分野において活躍し、数ある高専の中でも、技術の「社会実装」を得意とする高専に成長しました。

 平成27(2015)年に「航空技術者プログラム」を開設し、学科を問わず本科2年生から本科5年生までの4年間に渡る教育課程となっており、最初の2年間では航空機に関する基礎や沖縄県の航空事業及び観光産業などの導入教育を実施し、後半の2年間では専門的な講義や、航空関連産業の現場でのインターンシップ実習を実施しています。本プログラムを履修し航空整備士として活躍する卒業生も後輩技術者の育成に携わり、航空整備士及び航空技術者の育成に日々邁進しています。

航空技術者プログラムのインターンシップ実習の様子=沖縄高専提供

 また、令和5(2023)年には、地域の経済発展と社会的課題解決に向け、柔軟な発想力と実践力を備えた人材育成を目指し、「観光・地域共生デザインコース」を開設しました。このコースでは、今までに培ってきた沖縄高専の強みであるIT技術と、その教育を活かして、沖縄のリーディング産業の1つである観光産業と観光の基盤になる沖縄のあらゆる産業分野で、数理データサイエンスやデジタル技術を駆使し、新しい付加価値を創造できるイノベーターの養成を目標としています。さらに、沖縄高専の教育の特色の1つである「創造研究」では、学科・学年を横断したチームが組まれ、本科1年生から研究室に所属することができ、学生各自の問題意識に沿った創造性あふれる課題研究に取り組み、毎年多くのコンテストで優秀な成績を収めています。

「つくばScience Edge」で文部科学大臣賞を受賞=沖縄高専提供


         

【沖縄高専へのアクセス】
那覇空港から車で約2時間
那覇空港から高速バス111番乗車、宜野座IC下車、路線バス77番乗り換えで2時間
那覇空港から高速バス117番乗車、世冨慶(よふけ)下車、路線バス77番乗り換えで2時間
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