大阪・関西万博まるわかりガイド【月刊ニュースがわかる7月号】

スクールエコノミスト2025 WEB【目黒日本大学中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は目黒日本大学中学校を紹介します。

オンライン学習と充実した短期留学。多彩な学びの組み合わせが未来を開く

<注目ポイント>

①世界で活躍するために必要な英語力を徹底的に身につける。

②中3のオーストラリア短期留学をはじめ海外プログラムが豊富。

③中長期留学や個人留学など、海外大進学も見据えた学習支援。

質の高い英語教育で国際感覚を養う

 2019年に日本大学の準付属校となり、志願者が年々増え続ける目黒日本大学中学校。教育理念に「しなやかな強さを持った自立できる人間を育てる」を掲げ、様々な取り組みをしている。なかでも注力しているのが、国際感覚を育むための実践的英語教育だ。

海外との接点は、中1から週1回行われるネイティブ教員によるオンライン英会話から始まる。授業では、各自の端末から世界にアクセス。積極的にコミュニケーションを重ねながら、スピーキング力を高めていく。

 その成果が発揮されるのが、年に1回、行われる英語スピーチコンテストだ。スピーチの課題は、学年ごとにレベルアップ。中1は暗唱、中2では課題文に一部自由なスキットを織り交ぜ、中3では完全フリーテーマで臨む。さらに、高校になるとコンテストの場は文化祭のステージとなり、優勝者は全国の日大付属高校の学校代表が参加するスピーチコンテストに出場する。年次を追うごとに活躍の幅を広げる先輩の姿を未来の自分と重ね合わせ、切磋琢磨を続ける生徒たち。今年度は、「『高円宮杯全日本中学校英語弁論大会予選』に出場したほどの生徒が、クラス予選に敗れるという大波乱もあった」と本間裕之中学校教頭が語るほど、高レベルなスピーチが相次いだ。

充実した短期留学で世界を知る

 培った英語力をさらに大きく飛躍させるのが、中3の3学期に全員参加で挑むオーストラリア短期留学。期間は約1カ月。言葉も文化も違う異国の空気をダイレクトに吸収できる本腰を入れたカリキュラムだ。「中学生の段階から世界を知り、高校での学びを充実したものにしてほしい」という願いのもと、生徒たちは3校に分かれて海外生活を体験。ホストファミリー宅に滞在し、午前中は目黒日大中独自の語学研修を、午後は現地校のバディと一緒に現地校の正規授業に出席する。

 高校生になると日本大学の学術交流指定校であるケンブリッジ大学ペンブルック・カレッジ短期留学への道も開かれている。ただし、参加メンバーは筆記試験と面接で選抜。日本大学付属各校から春休みに3名、夏休みに2名のみが参加を許される狭き門でもある。 現地では、全国の付属校生と共にケンブリッジ大学寮に滞在し、ケンブリッジ大学と日本大学が共同で建設した施設で合同語学研修を受講。午前中に語学のほか現地教員による文化、歴史などを学び、午後には同大学生と様々なアクティビティに参加する。「特にサマーシーズンは、ケンブリッジという街に欧州を中心に世界中から人々が集まる。英国文化を肌で感じ、国際的な交流と共に視野、見聞を広める中身の濃い貴重な機会」と本間教頭は語る。参加した生徒からは、「自分が、いかに恵まれた環境にいるのかが分かった。自立してまた海外に行きたい」「他校の優秀な生徒から刺激を受けた。帰国後も友情を育んでいる」という声が聞かれたという。

現地校の生徒とコミュニケーションを図る本校の生徒