高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は徳山高専を紹介!
徳山工業高等専門学校は、時代の強い要望により、昭和49年に設立された国立工業高専です。機械電気工学科、情報電子工学科、土木建築工学科の3つの学科からなり、「世界に通用する実践力のある開発型技術者をめざす人材の育成」を学習・教育目標としています。日本で最初の複合学科制を取り入れて発足した徳山高専は「技術を愛する人物、人々から信頼される人物を育み、広く社会の安全と人々の幸福に寄与する」という建学の理念のもと、複合技術を有した優秀な人材を育成してきました。
卒業生は、例年6~7割程度が就職、3~4割程度が進学しています。就職した卒業生は県内をはじめ、中国地区や関東地区など全国各地で活躍しています。また、全国の大学に編入学で進学する学生も多く、毎年、いわゆる難関大学へ進学する学生もいます。
本校の学生は課外活動でも、数多くのコンテスト等で活躍しています。
2022年のNHK高専ロボットコンテスト(ロボコン)では最大の栄誉である「ロボコン大賞」を受賞しました。この年の競技はロボットで紙飛行機を飛ばすものでしたが、実際に人が投げたように紙飛行機が飛んでいく徳山高専のロボット「双宿双飛」は、審査員をはじめ、多くの人々を魅了しました。

2022年のNHK高専ロボコンで活躍した「双宿双飛」(徳山高専提供)
また、2024年は高専プログラミングコンテスト(プロコン)で準優勝しました。このチームは情報電子工学科だけでなく、機械電気工学科の学生も参加していました。その他にも、プログラミング甲子園での優勝や、ICPC Asia Pacific Championshipというアジア大会で11位入賞、さらには卒業後に世界大会への参加も決定しています。
土木建築の分野では、高専デザインコンペティション(デザコン)での受賞常連校でもあります。2024年は構造デザイン部門で優秀賞と審査員特別賞をダブル受賞しました。コンテスト等への参加意欲が高い学生が多く、インフラマネジメントテクノロジーコンテストや、建築甲子園、その他にも様々な大会に参加し、優秀な成績を挙げています。

デザコンの様子(徳山高専提供)
その他にも運動部では全国高専体育大会での優勝や、英語プレゼンテーションコンテストへの参加など、多くの学生が教員のサポートも得ながら、幅広い分野で活動に取り組んでいます。
また、高学年や専攻科では学会発表も積極的に行っています。様々な学会で熟練の研究者に混ざって発表を行い、その中でも優秀な発表として多数表彰されています。
【徳山高専へのアクセス】
■バス
JR徳山駅前から防長交通バス「徳山高専」行に乗車、「徳山高専」下車
「久米温泉口」行に乗車、「大学高専下」下車、徒歩10分
■自動車
山陽自動車道徳山東インターから約5分
■タクシー
JR徳山駅から約15分 JR櫛ケ浜駅から約10分