推しの城 おもシロ ランキング【月刊ニュースがわかる2月号】

アメリカ連邦最高裁 判事の党派性に焦点 「ニュース検定」がわかりやすく解説

新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。

 米国の最高司法機関である連邦最高裁判所は、判事9人で構成され、大統領の決定や議会が決めた法律の違憲審査権を持つ。国論を二分する争点の是非を憲法判断という形で示すが、判断は小差で決まることが多いため、各判事が大きな影響力を持つ。

 判事は事実上の終身制。判事の死去や退任で欠員が生じた際は、大統領が後任を指名し、上院の承認を経て就任する。指名の際、大統領が民主党であればリベラル派、共和党であれば保守派を選ぶ傾向があることから、政治が司法に与える影響が指摘されてきた。

 顕著な例が指摘されるようになったのは近年だ。従来、判事の構成は保守派とリベラル派がほぼ拮抗していたが、欠員補充でトランプ前大統領が任期中に保守派3人を相次いで指名。バイデン大統領もリベラル派1人を指名したが、保守は6人、リベラル派3人で保守派多数の構図が続く。

 この判事構成のもとで連邦最高裁は2022年6月、 女性が人工妊娠中絶を選ぶことを憲法上の権利と認めた1973年の歴史的判例「ロー対ウェイド判決」を自ら覆し、州が中絶を禁止・制限することを容認する判断を下した。保守派5人の賛成による。

 さらに2023年6月には、大学の入学選考で黒人や中南米系を優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)をめぐって従来の判決を覆し、特定の人種を一律に優遇する手法は違憲とする判断を示した。保守派判事6人が賛成した。

 同様に、合憲判決が出ている同性婚など双方が対立する問題でも、今後、判事構成が影響する可能性がある。

(2024年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より)

 次回は1月22日に配信予定です。


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ニュース検定とは?

 「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。

 『ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「平和な世界どうやって」など27のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。

 検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。

次回の検定はいつなの?

 「ニュース検定」で次回の検定日や、お近くの試験会場などご覧いただけます。 

ニュース検定の問題に挑戦してみよう!

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https://www.newskentei.jp/question.php