新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
「核の脅威」が高まる中、国際社会の核軍縮の動きは停滞している。
核軍縮に関する世界最大の枠組みが核拡散防止条約(NPT)だ。世界の大半の国が参加し、参加国 ・地域に対して「誠実な核軍縮交渉」が義務づけられているが、取り組みは鈍い。5年に1度開かれる参加国・地域による再検討会議は、過去2回にわたって最終文書の採択に至らなかった。
NPTの下での核軍縮の停滞に危機感を持った非核保有国の主導で、2021年には核兵器禁止条約が発効した。ただし条約は核の保有を禁じているため、核保有国は参加していない。さらに条約は核抑止論の根幹となる「核による威嚇」も禁止しており、参加すれば「核の傘」が無効となる。そのため米国の核の傘の下にある日本や北大西洋条約機構(NATO)など加盟国も不参加だ。
日本政府はNPTを足場に「核保有国と非核保有国の橋渡し役を務める」という立場だ。しかし、唯一の戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約への参加を見送る状況に、被爆者団体などからは批判が上がる。
広島市で2023年5月に開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、「核兵器のない世界を目指して取り組みを強化する」との言葉を盛り込んだ首脳宣言が 採択された。「核なき世界」への日本の本気度が問われている。
(「2024年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より)
次回は11月15日に配信予定です。
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ニュース検定とは?
「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。
『ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「平和な世界どうやって」など27のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。
検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。
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