【ニュースがわかる2025年1月号】楽しくあけよう パッケージ

高専に行こう!津山高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は津山高専を紹介!

 津山工業高等専門学校は、1963年4月に開校して、現在は、本科は総合理工学科1学科と専攻科は2専攻で構成されています。「自律・創造・共生」を教育理念とし、「進化を続ける人材の育成」をキャッチフレーズとして900名弱の学生が学校生活を送っています。女子学生の割合は年々増加し、学内全体の約20%となっています。また、約300名が寮生活を送っており、19名が海外からの留学生で、高専の中では多いことが特徴となっています。

学科構成と教育

 本科の総合理工学科は、先進科学教育・研究を志す人材と理学の素養豊かな技術者の養成を目標とする「先進科学系」、次世代の産業社会を担う機械システム技術者の養成を目標とする「機械システム系」、環境エネルギー・エレクトロニクス社会を担う技術者の養成を目標とする「電気電子システム系」、情報システムを統合的に理解し、設計・構築・保守運用のできる技術者の養成を目標とする「情報システム系」の4系があり、1年次は特定の系に所属せず、全員が同じ内容を学習します。
 そして、2年次進級時にいずれかの系に配属されます。特に他高専にはない本校の教育分野である先進科学系では、数学・物理化学・化学・生命科学を中心とする理学と基礎工学を学びます。さらに、専攻科は機械・制御システム工学専攻、電子・情報システム工学専攻で構成され、修了後は学士の学位を得ることができます。また、本校は、日本技術者教育認定機構(JABEE)より認定を受けた技術者教育プログラムを実施しています。

グローバル交流活動を通した人材育成

 本校の国際交流活動では中国・四国地区高専の国際交流教育を推進する拠点校として、海外の協定大学と連携した国際的な研修やグローバル教育に取り組んでいます。令和5年度の海外インターンシップを含めた海外での研修等に参加した学生数は73名でした。さらに、企業等と協力した連携教育、課外活動を通した教養教育、ロボコン、プロコン、デザコンなどの様々なコンテストへの参加、国内外の学会等での研究発表などの取組を積極的に行っています。

幅広い進路と充実したキャリア教育

 津山高専では、就職進学体験談、学内キャリアセミナー、卒業生講演、工場見学など、低学年からキャリア教育を行っており、幅広い進路を選択できます。令和5年度の本科卒業生の進路は、就職67%、進学33%となっていて、就職の求人倍率は40倍、就職内定率99%と大学に比べて高い値を維持しています。また、進学者のうち、大学への編入学が国公立大学63%で、本校専攻科への進学が36%です。

【津山高専へのアクセス】
所在地:岡山県津山市沼624-1
■バス
JR津山駅からスポーツセンター行で「沼住居跡入口(津山高専入口)」下車(所要時間:約25分)
■タクシー
津山駅から約15分
■車
中国自動車道「津山IC」または、中国自動車道「院庄IC」から約20分