Q フーコーの振り子って何? (石川県金沢市・小6)
地球の自転 証明した実験
A 科学館や博物館を訪れたとき、または図鑑などで「フーコーの振り子」を見たことはありますか? 「フーコーの振り子」は、地球の自転(1日1回、自転軸を中心に地球がくるんと回る)を目で見て分かるように作られたものです。
1851年にフランスの物理学者レオン・フーコー(1819~68年)が、フランス・パリのパンテオン(神殿)の高い天井に67メートルの長さの針金をさげ、28キログラムの鉄のおもりをつるして「地球の自転を証明する振り子の実験」を行いました。それ以来、実験者の名前をとってこう呼ぶようになりました。(下の写真は地球の自転を感じながら時を刻む「フーコーの振り子」=名古屋市中区の名古屋市科学館で2012年6月、鮫島弘樹撮影)
葛飾区郷土と天文の博物館(東京都葛飾区)学芸員の新井達之さんは、フーコーの振り子をこう説明します。「まず図1のように北極点で振り子を振ったと考えてみましょう。振り子は時計回りに動くように見えますが、実際の振り子はずっと同じ方向に振れています。私たちがいる地球の方が反時計回りに自転しているから振り子の方が動いているように見えるのです」。北極点でなくても赤道直下以外であれば、同じ現象が起こります。
次に振り子の下に時計があると考えてみましょう。最初は図2のように3時と9時の間を振れています。そのうち時計回りにゆっくりと動き始め、図3のように4時と10時の間を行き来します。振り子の位置は同じで地球が自転しています。
私たちの生活の中で、地球が自転していることを感じることはあまりありませんが、太陽が昇ってくるように見えているのも太陽が動いてるのではなくて、地球の方が自転しているのです。
【毎日小学生新聞編集部】
(「疑問氷解 Vol.10(毎日小学生新聞)」より)