推しの城 おもシロ ランキング【月刊ニュースがわかる2月号】

幽霊は、本当にいるの? 【疑問氷解】

Q 幽霊は、本当にいるの? (東京都新宿区、小4)

怪談話や幽霊画が多く残る

 A 夏休みに肝試し(きもだめし)や怖い話で盛り上がるのは楽しいですね。でも、本当にいるのか? 心霊現象を研究している学会はあるものの、専門的に学べる大学はありません。いると信じて研究を進める人はいても、人数が少ないので十分な研究がされておらず、はっきりとした答えは出ていません。

 ただ、日本には、死んだ先祖が家に帰ってくるお盆や、数多くの怪談話など幽霊を信じずにはいられない文化が残っています。日本の宗教観が、特定の神様を信じるのではなく、すべてのものに魂が宿っていると信じる「アニミズム」に強い影響を受けていることも理由です。

 江戸時代初期には、怪談話が流行し、幽霊画が多く残されました。江戸時代中期の絵師、円山応挙(まるやま おうきょ)による妖艶な「返魂香之図」(久渡寺蔵)は、なかなかの美人幽霊。江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(かつしか ほくさい)の「百物語」より「こはだ小平二」(墨田区蔵)は、がいこつになった男性がうらめしそうにこの世に現れます。江戸時代の夜は真っ暗だったでしょうから、さぞかし怪談話や幽霊画は怖かったでしょうね。

 日本と同じように、幽霊の話が好きなのがイギリス。なんと、英国政府観光庁が、「イギリスの心霊スポット10」を観光地としてアピールしているほど。「資本論」を書いたドイツの哲学者、カール・マルクスも眠るロンドンのハイゲート墓地では、ガイドツアーもあるそうです。

 かつては監獄だったロンドン塔も、打ち首にされた幽霊がたくさん住んでいるとか。1882年に設立され、心霊現象を科学的にひもとこうとしている心霊現象研究協会は、「シャーロック・ホームズ」を書いたコナン・ドイルも在籍していたことから世界的に有名です。(毎日小学生新聞編集部)

          (「疑問氷解 Vol.7(毎日小学生新聞)」より)