高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は高知高専を紹介!
高知工業高等専門学校は、昭和38年に設置されました。平成28年度には、日本の未来を担うエンジニアとして、これからの世界を自らデザインし、イノベーション・グローバル・地域創生に貢献し活躍できる「みらい人」の育成を目指し、従来の科を統合したソーシャルデザイン工学科を設置し、令和5年に創設60周年を迎えました。
ソーシャルデザイン工学科の1・2年次では、教養科目・専門基礎科目・実験実習で基本を身につけ、3年次からは専門分野5コース(エネルギー・環境コース、ロボティクスコース、情報セキュリティコース、まちづくり・防災コース、新素材・生命コース)のいずれかに進み、コアな専門分野と多面的な知識を融合、幅広い学識・技術が活かせるハイブリッド型の人材を育成します。また、地域や世界が抱える課題を解決するための幅広い知識・技術を融合・協働できる人材を育てるため、課題発見から解決策の提案・実装までを行う、アントレプレナーシップ教育にも力を入れています。
本科の進路としては就職と進学があり、就職に関しては、優秀な技術者としての需要が高く、高い求人倍率の下,就職率は毎年ほぼ100%となっています。
進学率は約30%程度であり、本校専攻科のほか、多くの国公立大学、私立大学へと進学しています。
専攻科は、6つの学位の取得区分(電気電子工学・機械工学・情報工学・土木工学・建築学・応用化学)を目指しながら、先端的情報技術の基礎や異なる専門分野の知識・技術を修得することが可能となっています。修了後の進路としては、企業への就職のほか、大学院への進学を選択する学生も多く、国立大学大学院等への進学実績があります。

KOSEN-1衛星開発に携わった宇宙科学研究部の学生たち(高知高専提供)
在校生は、各自の興味ある分野に積極的に取り組んでおり、宇宙科学研究部による人工衛星「KOSEN-1」の研究・開発や、平成27年に「科学教室の作業,指導,企画等に参画できる自立的・自律的女子学生の育成」を目標として立ち上がった校内の女子学生で結成されたグループ「TGK(Techno-Girls of Kochi kosen)」による科学実験教室運営などの取り組みなど、学生が中心となった活動も盛んです。
特にTGKの活動は、公益財団法人日産財団が主催する第6回リカジョ育成賞において、グランプリを受賞しました。活動している高専女子学生のキャリア教育にも寄与している実質的な活動である点や女子学生ならではの発想で女子中学生を引きつける実験内容を検討している点も高く評価されました。

TGK活動の様子(高知高専提供)
【高知高専へのアクセス】
■飛行機利用
高知龍馬空港から、徒歩10分
■JR・高速バス利用
JR「高知駅」下車、高知空港行き連絡バスに乗車し、空港で下車し、高知高専まで徒歩10分(高知駅からの所要時間約35分)
■公共交通・タクシー利用
JR「後免駅」、とさでん交通「後免町駅」から15分、土佐くろしお鉄道「のいち駅」から10分