【ニュースがわかる2024年12月号】今年もやります!2024年 重大ニュース

鳥肌はどうしてたつの?【疑問氷解】

Q 鳥肌はどうしてたつの?

毛の根にある筋肉が縮むから

 寒いときに肌がつぶつぶすることが鳥肌ですね。見た目が鳥の皮膚のようなので、「鳥肌」と呼ばれます。なぜ鳥肌がたつのか、久岡皮膚科クリニックの久岡久江院長に教えてもらいました。

 腕をよく見ると、細い毛が斜めに生えているのがわかります。この毛の根っこには、立毛筋(りつもうきん)という小さな筋肉がついています。寒いとこの立毛筋が縮んで、斜めだった毛がまっすぐにたちます。と同時に、毛穴の周りの皮膚も一緒に盛り上がってつぶつぶになるのです。

 立毛筋が縮むのは、自律神経という外からの刺激(ストレス)に対して働く神経が関係しています。自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあります。交感神経は寒いときに働く神経で、立毛筋を縮ませる作用があります。

 交感神経は寒いだけでなく、緊張したり、怖かったり、びっくりしたりした時にも働きます。ですから、すごく怖い思いをした時にも、鳥肌がたつのです。また、急に熱いお風呂に入ったときも、瞬間的に鳥肌がたちます。これも、「熱い」というストレスを感じ、交感神経が働いたからです。

 お風呂に入ってできた鳥肌は、いつの間にか消えていますね。お湯の熱さになれ、リラックスすると副交感神経が働きます。副交感神経には立毛筋を働かせる作用がないので、鳥肌が消えるのです。

 顔に鳥肌がたたないのは、立毛筋が弱いからです。また、手のひら、足の裏に鳥肌がたたないのは、毛が生えていないので立毛筋がないからです。

 動物は寒かったり敵と向かい合ったりした時に全身の毛をたてます。動物は毛が長くたくさん生えているので、毛をたてると空気の層ができて保温効果が上がるからです。また、毛をたてることで体を大きく見せ、敵を驚かす働きもあります。人間は体毛が短くて少ないので、立毛筋が働いても鳥肌がたつだけで、保温効果まではのぞめません。

                     (「疑問氷解Vol.8」より)