Q ラムネのびんに入っているビー玉は何のため?(東京都杉並区、小3)
■炭酸の圧力でびんの口に密着
A ラムネは独特の風味に加え、ビー玉の入ったびんも涼しさを感じさせます。ジュースなど清涼飲料のメーカーでつくる全国清涼飲料工業会で聞いてみました。
ビー玉は栓の役目をしています。イギリスで開発されたこのびんが日本に登場したのは1888(明治21)年ごろ。それまではコルクの栓が使われていました。
アメリカやヨーロッパではその後、王冠で栓をする方法が広まり、ビー玉のびんは廃れましたが、日本では残りました。理由はいろいろな説があります。
(1)小さな事業者が多く、王冠の設備を持つ余裕がなかった
(2)日本のガラス職人はビー玉を作る技術に優れていたため中身がもれにくく、急いで王冠を採用する必要がなかった
……などです。ビー玉のカラカラ転がる音が、季節感を楽しむ日本人に親しまれ残った、とも考えられています。
◇ひっくり返して栓
栓をするときはまず、びんの上部のふくらんだ部分にビー玉が入った状態で、ラムネのシロップと、ろ過などの処理をした原料の水、炭酸を入れます。今では機械化されていますが、そのびんを急激に下向きにすると、ビー玉はびんの口にあるゴムと密着します。びんを元に戻すと、中の炭酸の圧力でビー玉は密着したまま、下に落ちないので栓となって中身がもれるのを防ぐ……という仕組みです。
今のラムネのびんは飲み口部分が樹脂製で別になっており、ビー玉を中に入れてから工場でネジのように装着しますが、昔のびんは全部ガラスで一体になっていました。びん工場で、口が広めのびんにビー玉を入れ、すぐに口の部分を加熱して狭くしたそうです。
ちなみに、似た飲み物に「サイダー」がありますが、容器のちがいで呼び方を分けていて、あのびんに入れると「ラムネ」になります。【毎日小学生新聞編集部】
(「疑問氷解 Vol.11(毎日小学生新聞)」より)