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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

時事問題は「伸びしろ」

「親子で取り組む時事問題」。2023年に起きたことを一緒に振り返りながら得点アップを目指しましょう!TOMAS(トーマス)松井誠さんにお話をお伺いしました。
『月刊NEWSがわかる総集編2024年版』で掲載した巻頭インタビューを抜粋)

TOMAS(トーマス)教務本部副局長 松井誠さん

―― 時事問題に取り組むなら、今からがチャンスって本当ですか?

松井さん:その通り! 時事問題はここ1年以内のニュースから出題されることが多いので、早くからの対策はむずかしいんです。今からでも十分間に合うと思うと、成績が伸び悩んでいる子も勉強のやりがいがありますね。逆にいえば、成績がよい子でも対策しないと0点になってしまいますから、毎日1つ、ニュースをチェックする習慣をつけてほしいです。

大人の知恵と余裕が子どもたちをサポート

―― 時事問題を勉強するときのコツを教えてください!

松井さん:時事問題で取り上げられるのは、最近、社会で起きていること。それについては、大人のほうがくわしいはずですから、一緒にニュースを見ながら、「これについてどう思う?」「この事件は、この後どうなっていくだろう」などと大人が問いかけるといいですね。受験前は親子といえども関係がギクシャクしがちですから、ニュースについて話し合ったり、「いいところに気づいたね」と声をかけることが、コミュニケーションのきっかけになるでしょう。

大人向けのニュース番組や新聞は、小学生にはわかりにくいので、「毎日小学生新聞」や「NEWSがわかる」などの子ども向けの媒体を会話のきっかけとして活用するといいですよ。

ニュースと知識をつなげて学ぶ

―― 時事問題の出題や答え方について、最近はどんな傾向がありますか?

松井さん:最近、大学入試で思考力やプレゼンテーション力、記述力を求める出題が増えてきました。それと同じように中学受験でも「あなたの言葉で答えなさい」という出題が増えています。例えば、2023年5月に開催されたG7サミット(主要7カ国首脳会議)について出題される場合、原爆ドームの前に首脳たちが並ぶ写真が掲載され、「広島でサミットが行われた意義は何だと思いますか?」というタイプの問題が出る可能性もあります。

―― むずかしいですね。どうやって答えればよいのでしょうか。

松井さん: まず、みなさんがこれまで授業で学んだ知識とつなげて考えてみましょう。例えば、広島といえば人類史上はじめて原爆が落とされた場所。日本に25ある世界遺産のうち、原爆ドームと厳島神社の2つがあるのも広島です。また、広島は岸田首相の選挙区でもあります。そういったさまざまな情報と関連させて覚えながら、考えを深めていくとよいでしょう。

 もちろん、開催地や参加した国の名前、ウクライナのゼレンスキー大統領が特別参加したなど、基本的な情報もチェックしましょう。

学校は「考える生徒」を待っている!

―― でも、そういう問題って、「これが正解!」という答えがないですよね。どうしてそんな出題をする学校が増えているんですか?

松井さん:じつは時事問題には、学校が受験生に対して期待することが表れていると、私は考えているんです。つまり、「あなたの考えは?」という問題を出す学校は、「社会や未来について、自分の頭で積極的に考える生徒がほしい」ということ。そういう学校は、調べて討論し、レポートを提出する授業を取り入れているようです。まるで大学みたいですね。そうした学習を楽しみ、将来は社会のリーダーとして活躍する生徒を、学校は育てたいのだと思います。

―― なるほど! よくわかりました。では最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

松井さん:小学生は受験当日まで伸び続けます。行きたい学校があるなら、あきらめず「夢がかなう瞬間は、かならずくる」と信じて、がんばってください。保護者のみなさんも、精いっぱい応援しましょう!

教えてくれた人

TOMAS(トーマス)

男女御三家中、医学部医学科など最難関への実績・ノウハウを有する進学個別指導塾。「ホワイトボード付き個室での完全1対1個別指導」という独自の指導スタイルや志望校から逆算した個別カリキュラムに定評がある。最難関中学受験コース「Spec.TOMAS(スペックトーマス)」も開設。首都圏全98校。

上の画像をクリックすると「TOMAS」のホームページにジャンプします


紹介した本はコチラ

Newsがわかる総集編 2024年度版

出版社:毎日新聞出版 定価:1100円

本書の目次

【もくじ】
第1章 環境・SDGs
エルニーニョ現象4年ぶり/プラごみ削減/待ったなし/福島第1原発の今/
地球の未来はどうなるの/14年ぶり宇宙飛行士候補/COP27途上国の被害に基金/
ブルーカーボンで地球温暖化を食い止めろ!/バリアフリーみんなにやさしい社会に/
大雨降らせる線状降水帯

第2章 科学・技術
眠りが脳を育てる/脳のはなし/利用者が急増「チャットGPT」/メタバースの世界

第3章 日本のニュース
物価高 円安 どこまで?/日本銀行の仕事/統一地方選って何だ?/ニュースで知る憲法/
新型コロナ「5類」でどうなる/袴田さんの裁判やり直し/広島でG7サミット/関東大震災100年

第4章 海外のニュース
ウクライナ侵攻から1年/独裁とたたかいノーベル平和賞/
バンクシー、ウクライナに現る/NATOにスウェーデン加盟へ/世界人口どこまで増える?
ワールドカップで盛り上がろう!/紛争のスーダンどんな国?

【スペシャルコンテンツ】
・巻頭インタビュー 池上彰さん、2023年はどんな年でしたか?
・TOMAS入試対策本部 本部長 松井誠さんに聞く
 時事問題は、学校から受験生へのメッセージ

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