Q ラクダのこぶは何でできている?
脂肪ためてエメルギー源に
A ラクダのこぶは脂肪でできています。ラクダの体について、大阪市の天王寺動物園で、飼育員の村田行雄さん(64)と獣医の榊原安昭さん(63)に聞きました。
脂肪は人間の体にもあり、エネルギー源です。ラクダはこぶに脂肪をためておき、砂漠で食べ物や水がなくても生きることができます。また、砂漠は昼間は暑いので、背中のこぶが太陽の熱から体を守ります。こぶにためることのできる脂肪の量は60キログラム以上です。大人の人間、1人分くらいの脂肪を背中に乗せているのですね。
こぶは生まれたばかりの時はからっぽですが、1、2年するとしっかりとふくらみます。大人のラクダでも体の具合が悪かったり、えさを食べなかったりすると、しぼんでしまいます。

こぶをさわったらどのような感じがするのでしょうか。ラクダはかむことがあるので、自分でさわるのは危険です。いつもラクダのお世話をしている村田さんは「太った人間のおなかよりかたい感じです。ラクダが歩くとこぶが左右にぶよん、ぶよんとゆれます」と教えてくれました。
ラクダの体には他にも砂漠で生きるための工夫があります。砂嵐から目を守るため、まつげはとても長く、鼻の穴は砂が入らないように開いたり閉じたりできます。足のうらは大きくてやわらかく、体重を分散させることで砂に埋まらないようになっています。
こぶは、年齢とともにしぼむことが多いそうですが、横浜市の野毛山動物園のフタコブラクダ「ツガル」(メス)は世界最高齢の推定38歳でしたが、しっかりとしたこぶで「こぶ美人」と親しまれていました。残念ながら、2014年5月23日に死にましたが、人間で言えば120歳。おばあちゃんラクダに親しみや尊敬の思いを込め、「ツガルさん」と呼ばれていたそうです。【毎日小学生新聞編集部】

(「疑問氷解 Vol.8(毎日小学生新聞)」より)