よく聞くPTAって?【ニュース知りたいんジャー】

みなさんは学校で「PTA」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。どうやらお父さんやお母さんが参加していて、その仕事のため学校にも行っているようです。PTAって何をしているのでしょうか。PTAに詳しいライターの大塚玲子さんに聞いてみました。【田村彰子】 (2021年05月19日掲載毎日小学生新聞より)

◇PTAってどういう意味なの?

英語の「Parent(ペアレント)(親)Teacher(ティーチャー)(先生)Association(アソシエーション)(組織)」の頭文字をとったもので「保護者と学校の任意団体」です。それぞれ対等な立場で話し合いをしています。親は、お父さんお母さんだけではなく、おじいちゃんおばあちゃんが「保護者」でもいいです。用務員さんなど、先生以外の職員が加入している学校もあるそうです。児童、生徒は参加していません。

 よくあるPTAの組織は、会長や副会長などの役員がいる本部と各種の委員会があります。保護者は委員会に所属することが多いです。  間違えやすいのは「保護者会」です。各クラスの担任が、保護者を招いて懇談する行事が「保護者会」で、組織であるPTAとは別物です。

◇いつから学校にあるの?

「PTA」というかたちになったのは、戦後です。「学校後援会」や「父兄会」といった組織は、それより前にも多くの学校にありました。 第二次世界大戦で敗戦国になった日本に、アメリカは教育の専門家を派遣しました。その中で1946年、当時日本を占領していた連合国軍総司令部(GHQ)が、日本の役所の文部省(今の文部科学省)にアメリカのPTAについて説明し、日本でも結成するように働きかけました。PTA発祥の地はアメリカです。

 文部省は「父母と先生の会委員会」という部署を設置し、全国の都道府県知事にPTAの作り方を知らせました。この結果、48年には、全国の小・中学校の7割近くにPTAが置かれています。
現在、学校によっては「PTA」という名称を使っていないケースもあります。しかし「PTA」と同じような位置づけの団体は、ほとんどの学校にあります。  

◇どんな活動をしているの?  

 学校行事のお手伝い、保護者のための勉強会の運営、広報紙の発行、備品の寄付などをしています。  例えば運動会では、PTAのメンバーがテントを張ったり、校外から来るゲストの座席を出したりします。子どもが参加できるお祭りやイベントを開くこともあります。
また「ベルマーク活動」に取り組んでいるPTAは多いようです。商品のパッケージについているベルマークを集め、点数分の備品と交換して学校に贈り、子どもたちの学ぶ環境をより良くしています。バザーを開き、物品の売上金で学校に備品を寄付することも珍しくありません。

 PTA活動の内容はそれぞれの団体に任されています。保護者向けの子育て勉強会や、学校の先生とのお茶会というように、さまざまな企画が考えられています。大塚さんは「活動を通じて、保護者同士が交流を深めるだけでなく、役員になると学校の先生ともコミュニケーションを図ることができます」と、PTAの良い点を説明します。  

◇お母さんばかり参加している気がするけど   

 国の男女共同参画白書によると、1980年の時点で専業主婦がいる家庭が1114万世帯、お父さんとお母さんが働いている共働き世帯が614万世帯でした。大塚さんは「戦後の日本の家庭では、お父さんは外で仕事、お母さんは家事や育児という役割分担が進み、育児の一つであるPTAはお母さんの役割になっていきました。その名残が、共働き家庭の方が多くなった今でも残っています」と話します。

 活動する時間は、子どもが学校に行っている平日の昼間がメインになっています。PTAで多くの活動を担っている専業主婦のお母さんたちが、平日の日中の都合が一番良かったことも影響しているとみられます。  最近では、お父さんが中心の保護者の会「おやじの会」も増えています。しかし、まだまだPTAへのお父さんの参加は進んでいないようです。  

◇参加するのは大変じゃないの?  

 少子化に加え、共働き、ひとり親の世帯が増えていて、PTAに積極的に協力できる保護者が減っています。このため、活動の内容を見直す傾向が強まっています。  
PTAに代わるシステムとして、保護者全員に役割を等しく分けるのではなく、やりたい人だけが参加するボランティア制を取り入れる組織が出てきました。例えば、ベルマーク活動が敬遠されがちですが、「作業中に他の保護者と会話できて楽しい」という人もいるからです。通学時の見守りや本の読み聞かせなど、自分が参加できる活動を選べる団体もあります。

 また先生の負担をなくすため、PTAではなく「PA(Parent(ペアレント) Association(アソシエーション))」と保護者だけの組織を作ったり、地域住民が参加したりするケースがあります。そして欠かせないのは作業のIT(情報技術)化です。オンライン会議や紙ではない広報誌を導入し、保護者が関わりやすい環境を整える動きが目立っています。

※写真は2学期を控え、PTAのお母さんたちが校舎の大掃除=大阪市西成区の市立南津守小学校で1967(昭和42)年8月27日撮影