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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

オーロラが北極と南極で発生するのはなぜ?【天気のふしぎ】

『日本書紀』の推古天皇28年(620)12月1日の条に、「天に赤き気あり。長さ一丈余。形、雉尾に似たり」と記録が残されています。これはオーロラ(中緯度オーロラ)のことを表現したものだといわれています。オーロラは日本やアメリカ、ヨーロッパなどの中緯度地方でも出現することがあります。ですが、主に見られるのは北極・南極の両極地域です。なぜ極地域でしか見られないのでしょうか。

 オーロラを光らせているのは、主として太陽から飛来する「電子」と「陽子」です。太陽からは光だけではなく、風(太陽風)もやってきます。その太陽風を構成している電子と陽子が、地球の大気中にあるわずかな空気とぶつかって、緑や青や赤など光を放ちます。それが「オーロラ」です。

 オーロラは店の看板などに用いられているネオンサインの光と同じ原理によって光っています。オーロラは雲のようにも見えるが、雲ではないので、そこから雨が降ってくるということはありません。

 オーロラは北極や南極でよく見られ、他の地域ではあまり見られません。地球は大きな「磁石」であり、地球では経線の方向に「磁場」が働いています。太陽風の電子と陽子はその磁場を横切って地球に近づくことができません。磁場がバリアーになっているのです。

 しかし極地域ではバリアーとしての効果が弱く、磁力線に沿って電子や陽子は地球に近づくことができます。オーロラが極地域でよく見られるのは、そうした理由によります。

 太陽の活動が活発になると、ときには日本でもオーロラを見ることができるそうです。