力士の給与っていったいいくらなの?
国技と言われ、日本の伝統文化でもある相撲。1500年以上前から続く相撲の魅力や素朴な疑問を、「大相撲中継」の編集長である北出幸一さんが答えてくれる「教えて編集長!」。今回のキーワードは「給与」です。
Q 編集長、横綱や大関の給与はいったいいくらなの?
A 横綱や大関以下の関取に毎月給与が出ることは知っているね。実は平成31年の初場所から18年ぶりに増額されたんだ。ずいぶん長く据え置かれていたね。その結果、横綱の給与が月額で300万円、年額では3,600万円になるね。三役は大関の給与が月額250万円、年額は3,000万円、関脇と小結が月額180万円、年額2,160万円になったんだ。プロスポーツではプロ野球選手に1億円プレーヤーがざらにいる中で、力士のトップの横綱や大関の給与は決して高くはないよね。
Q 給与は幕内から十両までに出るんだよね。
A そうなんだ。小結より下位の幕内力士の月額が140万円で年額1,680万円、十両力士が月額110万円で年額1,320万円だよ。ボーナスはないんだ。サラリーマンと比べると会社役員並みの給与だよね。
Q 幕下以下の力士にも収入はあるの?
A 実は力士のほとんどを占めている幕下以下(幕下、三段目、序二段、序ノ口)の力士は関取になっていない「養成員」と呼ばれていて、給与はないんだ。ただし、年に六回開催される本場所ごとに場所手当が支給されていて、幕下が16万5千円で、年に六回なので99万円。三段目が11万円で年に66万円、序二段が8万8千円で年に52万8千円、序ノ口が7万7千円で年に46万2千円支給されているよ。それだけでは暮らしていけないと思うだろう。でも、幕下以下の力士は相撲部屋の大部屋で共同生活をしていて、食費、家賃は一切必要ないから何とかなるんだよ。
Q 編集長、関取には給与以外にも収入はあるの?
A いちばん高額なのは幕内の優勝賞金。1,000万円なんだ。優勝すると、それ以外にさまざまな賞がもらえて、副賞でお金も入るよ。表彰以外でも後援会の関係者などからのご祝儀もあるんだ。本場所で活躍して殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞を受賞すると、賞金200万円がもらえるんだ。幕内の取組に掛けられる懸賞金は一本7万円で、積立金や手数料を差し引いて力士が土俵上で受け取るのは3万円なんだ。強くなって幕内に昇進すれば、いろいろな機会に給与以外にもお金がもらえるんだよ。昔の言葉で「土俵にお金が埋まっている」と言われるのは、土俵で稽古を重ねて幕内になれば多くのお金を手にできるので頑張れ、という激励の意味が込められているんだ。
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