国技と言われ、日本の伝統文化でもある相撲。1500年以上前から続く相撲の魅力や素朴な疑問を、「大相撲中継」の編集長である北出幸一さんが答えてくれる「教えて編集長!」。今回のキーワードは「金星(きんぼし)」です。
Q 編集長、金星っていったい何なの?
A 金星は平幕力士が横綱に勝ったときの勝星のことだよ。平幕力士とは大関、関脇、小結の三役力士の下の、前頭筆頭から幕内最下位までの力士を指すんだ。日本相撲協会の資料によると「大金的を射止めた星」という意味だとされているよ。大正時代末期の新聞記事にも、横綱を負かす番狂わせを「金星を得た」と書かれているんだ。
Q 金星を取ると、どうしてみんな喜ぶの?
A 横綱に勝つことがうれしいのは当然なんだけど、引退まで毎場所もらえる報奨金も出るんだ。金星一つで10円だけど、たった10円と言わないでね。報奨金は昭和5年に理事会で決まったので、現代の金額に換算するために4,000倍されて、4万円が現役を引退するまで毎場所支給されるんだ。これはうれしいよね。
Q 誰がいちばん金星を取っているの?
A 引退した人ばかりだけど、安芸乃島(現高田川親方)が16個で1位、高見山(元東関親方)と栃乃洋(現竹縄親方)が12個で2位に並んでいるよ。現役では北勝富士の7個が最も多いんだ。白鵬は1個だけ、鶴竜はゼロだよ。それだけ早く出世したから金星に縁がなかったと言えるんだ。
金星獲得5傑(カッコ内は金星の回数)
1位 安芸乃島(16回)
2位 高見山、栃乃洋(12回)
4位 土佐ノ海(11回)
5位 北の洋、安念山、鶴ヶ嶺、出羽錦、巨砲(10回)
大相撲中継(毎日新聞出版)は、2カ月に一度の本場所前に発行されている雑誌で、5月場所号が好評発売中。定価は1,100円。「教えて編集長!」はもちろん、魅力的な企画が盛りだくさんです。ぜひ手に取ってみてください。
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