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◆どうなる日本の政治?参院選後の“ねじれ”とその意味
2025年参議院選挙では、自民・公明の与党が過半数を割り込み、国会は「ねじれ状態」に突入しました。立憲民主党や国民民主党、参政党など野党の存在感が増し、政策協議の複雑化が予想されます。石破首相は続投を表明していますが、党内では退陣論が根強く、総裁選の前倒しを求める声も高まっています。
今後の臨時国会では、物価高対策や給付金制度の見直し、ガソリン税廃止などを巡り、野党との連携が不可欠となります。政権の安定には、連立の再編や新たな枠組みの模索が求められるでしょう。
近年の政治情勢では、自民党と公明党が衆参両院で少数与党となり、政権基盤が不安定な状況が続いています。
2024年の衆議院選挙では、両党が過半数を割り込み、野党が衆議院で多数を占めるという異例の事態となりました。この結果、政策決定や法案審議において、与党は野党の意見を取り入れざるを得ない状況となり、政府提出法案への修正要求が急増しました。これは、政権が国民の声により真摯に耳を傾ける必要があることを示しており、今後の政治動向に影響を与える要因となるでしょう。
国会運営においては、「女性議員の比率」といった社会的課題も存在します。政治分野における男女共同参画推進法が施行されたものの、女性議員の増加ペースは緩やかで、国際的にも低水準にとどまっています。
また、「1票の格差」問題も深刻です。憲法違反として訴訟が提起される事例もありました。今後の裁判の行方は、選挙制度の公平性を問う重要な論点となるでしょう。


◆中学入試での出題ポイント
出題されるポイントは、(1)「二院制のしくみ」と「ねじれ国会」の意味、(2)「1票の格差」と「女性議員比率」、(3)「政治と暮らしのつながり」――の3点です。
(1)日本の国会は、衆議院と参議院の「二院制」を採用しており、それぞれ異なる役割を担っています。
衆議院は任期4年で解散が可能なため、世論を迅速に反映する機能を持ちます。議員定数は465名(小選挙区選出議員289名と比例代表選出議員176名)で、国民の意見を直接的に反映することが期待されています。
一方、参議院は任期6年で解散がなく、じっくりとした議論が可能です。定数は248名(選挙区選出議員148名と比例代表選出議員100名)で、選挙は3年ごとに行われ、半数が改選されます。両院はそれぞれ異なる視点から政策を審議し、立法過程において重要な役割を果たしています。
こうした制度の違いは、政治の安定性や世論の反映に影響します。2025年の参議院選挙では、与党が過半数を割り込み、衆議院と参議院で少数与党となりました。
少数与党では、法案の成立が難しくなり、政策決定が遅れることがあります。与党は野党との協議が必要となり、政治の安定が損なわれる一方、幅広い意見を反映した政策が生まれる可能性もあります。
中学入試では、こうした制度の違い、「少数与党」の意味を問う選択問題や、図表を使った資料読み取り問題が出題されます。また、「少数与党になると、どのような影響があるか」を記述させる問題もあります。制度のしくみを理解するだけでなく、政治の動きが社会にどう影響するかを考える力が求められます。
(2)民主主義では、すべての人の意見が平等に反映されることが理想です。しかし、選挙制度には「1票の格差」という問題があります。これは、人口の多い選挙区と少ない選挙区で、1人の票の重みが異なることを意味します。 2024年の衆院選では最大2.1倍の格差があり、憲法違反として裁判が起こされました。
また、政治分野における「男女共同参画」も課題です。2024年の衆議院では女性議員の割合が15.7%、参議院では25.5%にとどまり、国際的にも低い水準です。女性の視点が政治に反映されにくい状況が続いており、クオータ制(一定割合の女性候補を義務づける制度)などの導入が議論されています。
中学入試では、「1票の格差」や「女性議員の割合」に関する資料を読み取り、社会の課題を説明する記述問題が出題されます。人口の多い選挙区と少ない選挙区で票の重みに差があることを示す表やグラフを見て、「選挙の公平性が失われる」「憲法違反の可能性がある」といった問題点を説明させる形式です。
また、女性議員の割合が低いことを国際比較の資料から読み取り、「政治に多様な視点が必要」「クオータ制などの改善策がある」と自分の考えを述べる問題もあります。単なる知識ではなく、資料を根拠にして社会のしくみを自分の言葉で説明する力が求められます。
(3)政治は私たちの暮らしと深く関わっています。例えば、物価が上がったとき、政府は給付金を配ったり、税金を見直したりして、生活を支える対策を行います。
2025年の臨時国会では、物価高対策や給付金制度の見直し、ガソリン税の廃止などが議論される予定です。これらの政策は、家計や通勤・通学の費用に直接影響するため、国民にとって重要なテーマです。
また、与党が少数派となった現在の国会では、野党の意見を取り入れながら政策を進める必要があります。これは、異なる立場の人々が協力してより良い社会をつくるという民主主義の本質にもつながります。
中学入試では、「政治が私たちの生活にどう関係しているか」を説明する記述問題が出されます。
たとえば、「物価高に対して政府が行う対策にはどんなものがあり、私たちの生活にどう関係しますか?」という設問では、給付金の支給やガソリン税の見直しなどの政策を挙げ、それが食費や交通費にどう影響するかを具体的に説明する力が求められます。また、最低賃金の引き上げや教育費の補助なども、暮らしに直結する政治の例として使えます。
ニュースや家庭での会話をもとに、自分の言葉で考えることが重要です。政治を「遠いもの」ではなく「身近なしくみ」として理解する姿勢が、合格への大きな一歩になります。