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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

「声」を自動要約しカルテ化【起業家から君へ】

話を聞いたひと 滝内冬夫(たきうち ふゆお)さん kanata代表取締役

週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2022」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。※エコノミストオンライン「挑戦者2022」はこちら

診察中の発話をAI処理、医療従事者の文書業務を軽減する

診察中の会話を音声認識により文字起こしし、結果を自動要約してカルテ化するクラウドAI(人工知能)ツール「kanaVo(カナボー)」を提供しています。医師や看護師の文書業務の負担を軽減するサービスとして開発しました。現在、個人経営のクリニックを中心に140を超える医療機関で利用されています。

人の生死に関わる医療現場では記録を残すことが求められますが、診察のまとめや看護日誌などの文書業務には1日に2、3時間程度かかるとされ、医療従事者にとって大きな負担となっていました。診察がある時間内に作業を終えることができず、平日の記録を週末にまとめてやるという医師もいましたが、クリニックの医師は1日平均40~100人程度の患者を診察します。大量の記録を数日後にまとめてすることは大変な作業で、非効率でもあります。カナボーを導入することで、文書業務にかかる時間を4分の1程度に短縮することができ、負担軽減が期待できます。

カナボーでは、医師と患者の声を分離して音声認識し、AIが自動で結果を要約するため、全文を読み返す必要はありません。音声認識や要約は、ワンクリックでコピーや貼り付けが可能で、気になった箇所を指定し、音声を確認することもできます。

■こどもの頃はどんな性格でしたか?

授業中に手をあげるのも躊躇(ちゅうちょ)するような内気な男の子でした。でも、密かに女の子にはモテたいという気持ちがあり、女の子の前では格好つけていました。簡単に言うと、普通の男の子です(笑)

■こどもの頃の夢を教えてください。

「大工さん」になることでした。小学3年生から4年生の時に、自宅のまわりに家が何軒も建っていました。登下校時にその現場を見ているうちに、何もないところに巨大な家を創(つく)り上げる大工さんに憧れるようになっていました。

■こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。

シャーロック・ホームズなどの推理小説をよく読んでいました。その影響で、「探偵シャーベット」というシャーロック・ホームズの真似をした本を書いた記憶があります。

仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。
私の仕事は、ソフトウエアをつくることです。ソフトが思った通りに動かないことが多く、大変なことばかりです。でも、当社のサービスにユーザーから「助かった!」「ありがとう!」と言ってくれると、疲れも吹き飛びます。
人に喜んでもらえる仕事をしていると実感できるのは、本当に幸せです。

■子どもたちにメッセージをお願いします。
今の仕事を始めたきっかけは、息子が長い闘病の末に天国に旅立ったことです。
その時は、非常に寂しくつらかったです。しかし、息子の闘病が、私を今の仕事に導いてくれました。人生は、順調なことばかりではないです。そんな時こそ、逃げずに踏ん張ってみて下さい。必ず道は拓(ひら)けます。