幼い頃の舌足らずはかわいらしくも聞こえるので、親のほうはつかの間の楽しみとばかりにそのままにしてしまいがちですが、後に苦労することになるかもしれません。と言うのも、私の作法教室には「舌足らずで……」と悩んでいる大人の方が男女問わず結構な数いらっしゃるのです! もちろんトレーニングをして改善させていくのですが、何十年間もそのしゃべり方で過ごしていますので、改善にはかなりの時間がかかってしまいます。なかには「もっと早く親が気づいて直してくれていたら」とおっしゃる方も……。
しかし、ずっと一緒にいるご家族は耳が慣れてしまい、全く気づかないケースも多々あります。ですから、たとえお子さんのしゃべり方に違和感を覚えていなくても、「一緒に暮らしている家族ほど気づきにくい」という認識をもって、忌憚ない意見をくれる気の置けない方、例えばおじいさま、おばあさまや親戚の方などに聞いてみることも必要かもしれません。
(『良家の子育て』第3章「あいさつ・話し方」より)
次回は2月10日配信予定です
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著者:諏内えみ
「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。皇室や政財界を始めとするVIPアテンダント指導などを経て、スクールを設立。豊富な経験に基づき、本物のふるまいや会話、上質なマナーの指導を行う。
本書のほか、『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)や『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)のベストセラーをはじめ、『世界一美しいふるまいとマナー』(高橋書店)、『一流女性のあたりまえ』(扶桑社)など著書多数。最新刊は『大人の若見せを叶えるしぐさとふるまい 一瞬で見た目が下がるアンチエイジング・メソッド』(大和書房)、『ディズニープリンセス 幸せをつかむマナー』(諏内えみ・監修、KADOKAWA)。