「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」とは、引き取る人がいない死者で、氏名や住所、本籍など身元が不明な人を示す法律上の言葉です。
その根拠は、明治32(1899)年に施行された「行旅病人及び行旅死亡人取扱法」(行旅法)です。行旅とは「旅をすること」を意味し、当初は旅先で病気などで倒れたり、亡くなった人を対象にしたものでした。身元が判明しない自殺なども含まれます。
警察や病院から届けを受けた市区町村が、遺体を埋葬または火葬するとともに、その身体的特徴や着衣、所持品、死亡日時や場所を官報などに掲載し、関係者からの連絡を待ちます。2024年4月からはインターネット上での情報提供も義務づけられました。
こうした「行旅死亡人」は年間600~700人と言われています。
【ニュースがわかるオンライン編集部】
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現金3400万円を残して孤独死した身元不明の女性。その「行旅死亡人」の本当の名前、半生を追った、記者たちの執念のルポルタージュ。武田惇志・伊藤亜衣著。四六判、216ページ、定価1760円(税込)。毎日新聞出版刊。