2023年10月に始まったパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘で、イスラエル軍は9月15日、ガザ北部の最大都市ガザ市に地上部隊を侵攻させました。(「Newsがわかる2025年11月号」より)
海外メディアによると、イスラエル軍は市内中心部を激しく空爆した後、戦車部隊を中心部に向けて侵攻させました。ガザ市では避難民を含め約100万人が暮らしていました。
イスラエル軍は9月9日に全住民に退避を勧告しましたが、これまでに市外へ逃れたのは35万人あまりとみられ、軍は約60万人が市内にとどまっているとみています。
ガザ市とその周辺では極めて深刻な食料不足が続いており、国連は8月、この地域で最も深刻なレベルである「飢饉」が発生したと認定しました。地上侵攻によって人道(人の命や安全を守るための原則)状況は一段と悪化し、餓死者が増える恐れがあります。
イスラエルは国連の認定に反発し、「ガザで飢饉は起きていない」と主張。9月9日にはハマス政治局の事務所があるカタールの首都ドーハの住宅を空爆し、ハマス幹部ら6人を殺害したとみられるなど、戦闘をいっそう激化させています。


イスラエルとガザの境界近くに展開するイスラエルの砲兵部隊=9月16日、ロイター/共同
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