韓国の尹錫悦大統領が「非常戒厳」(戒厳令)を出したことをめぐり、韓国の憲法裁判所は4月4日、尹さんの罷免(やめさせること)を8人の判事の全員一致で決めました。(「Newsがわかる2025年6月号」より)
尹さんは昨年12月に戒厳令を出したことで、大統領の処罰などをする弾劾訴追案が国会で可決されました。弾劾訴追案を審理していた憲法裁判所は、戒厳令や国会に対する軍の投入などについて、いずれも「憲法を守るという観点から認められない」と判断しました。
尹さんは直ちに大統領の職務を失い、その後、6月3日に大統領選挙が行われることになりました。大統領が弾劾・罷免されたのは朴槿恵さん以来2人目です。尹さんの在任期間は約2年11カ月と、1987年の民主化後の大統領の中で最も短かったです。
尹さんは、国会で多数派の野党が政府方針に反対し続けることを非難して戒厳令を出しましたが、憲法裁は尹さんの言い分を退けました。戒厳令では国会などに軍や警察が投入されましたが、国会の要求で数時間で解除されました。尹さんは内乱をたくらんだ疑いで1月に逮捕・起訴され、3月に釈放されています。

大統領の職務を失い、大統領公邸から退去する尹錫悦前大統領(手前中央)=韓国・ソウルで4月11日、共同
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