135年前、一人の外国人記者が来日し、日本のよさを伝える話やこわい話をヨーロッパやアメリカ(欧米)に向けて書きました。その人は後に日本国籍を取って小泉八雲と名乗り、文学者として有名になりました。9月29日からNHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」で八雲夫妻が取り上げられるのを機に、八雲が愛した日本人の心にふれてみませんか。(「Newsがわかる2025年10月号」より)
小泉八雲は元の名前をラフカディオ・ハーンといい、1850年、アイルランド人の父とギリシャ人の母の間にギリシャで生まれました。明治23年に当たる1890年に来日して日本の自然や文化、慣習に強く引かれ、ふしぎな物語やこわい物語を書いて日本人の精神性を表しました。
島根県松江市、熊本市で学校の先生をつとめ、1896年に日本国籍を得て小泉八雲と改名。東京帝国大学や早稲田大学で英文学を教えながら日本を紹介する文を書き続け、1904年に東京で病気のため死去しました。

小泉八雲=国立国会図書館「近代日本人の肖像」より

小泉八雲(左)と妻セツ(右)。まん中は長男の一雄。八雲はやさしい夫で、子ども思いの父だった
◆7歳
両親が離婚。父母にそれぞれ去られ、アイルランドで大叔母(祖母の妹)の下、孤独な少年時代を送る。
◆16歳
学校で遊具が左目にぶつかり失明。見た目の劣等感を一生かかえた。その後、右目も視力が低下。
◆17歳
大叔母がだまされて事業に失敗し、財産を失ったため、学校を中退。居場所を失い、孤立感を深める。
◆19歳
新天地を求めてアメリカにわたるも、馬小屋で寝起きするような貧乏ぐらしを送る。仕事も転々とする。
◆39歳
雑誌の記者として来日。島根県松江市で小泉セツと出会い結婚。妻の支えで名作を次々と書き、4人の子どもも生まれて幸せな家庭生活を送る。
◆ろくろ首
人里はなれた家にまねき入れられた旅の僧。その家の人々は夜中に首が飛び回るようかい「ろくろ首」だった。僧は首が戻れないようにろくろ首の主人の体を勝手に移動させて、ゆさぶりをかける。

◆むじな
ある夜、ほりのそばで若い女がうずくまって泣いていた。ほりに身を投げるのではないかと心配した通りがかりの男が声をかけると、ふり返ったその顔は——!?

◆耳なし芳一
和楽器のびわの名手で、目が不自由な芳一が亡霊に見込まれた。芳一の命が危ないと察した寺のおしょうはある作戦をくわだてるが、致命的なミスをおかしてしまう。

◆幽霊滝の伝説
幽霊滝に行ってさい銭箱を取って来るというきもだめしにいどんだ大工の女房、お勝。幼い息子をおぶって出かけ、目的を達成してきたが、思いもよらないざんこくな結末が待っていた。

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