ファーブルを知っていますか? 約200年前のフランスの博物学者です。身近な虫の生態を根気強く観察し、考え続けた研究スタイルは昆虫マニアックの元祖といえます。(「Newsがわかる2024年9月号」より)
昆虫の「なぜ」解明に熱中
山の中の村で生まれたファーブルは子どものころから自然や生き物が大好きで、中学校などの先生をしながら昆虫の研究を続けました。
有名なのは、えさにする動物のふんを丸めて巣まで運ぶフンコロガシの研究です。なぜ、どのようにふんを運ぶのか。当時はだれも関心を持たなかったようなことを突き止めるために、ファーブルは地面にはいつくばり生態の観察や記録に熱中しました。
長年の昆虫観察の成果をまとめ、55歳から約30年かけて出版したのが「昆虫記」全10巻です。自然科学の論文としてだけでなく、命や死、人生などにも広がる内容の読み物として高く評価されました。世界各国で翻訳され、子どもから大人まで多くの人に読み継がれています。
アンリ・ファーブル=ゲッティ/共同