「魔女の宅急便」の作者として知られる児童文学作家、角野栄子さんの世界を表現した「魔法の文学館」が11月3日、東京都江戸川区のなぎさ公園内にオープン。館長を務める角野さんに、この文学館の魅力を聞きました。(「Newsがわかる2024年2月号」より)
児童文学をより身近に
「魔法の文学館」の正式名称は、「江戸川区角野栄子児童文学館」です。角野さんが2018年に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞を受賞したことをきっかけに、5年も前から構想されていました。
「私が3歳から23歳まで江戸川区で暮らした縁から、ここに文学館をつくりませんか、と声をかけていただきました。意外と私は新しいことを面白そうだなって思うたちなので、先にあるいろいろな苦労を考えるより、何かこうわくわくしちゃって、やりましょう!となったわけ」と話す角野さん。
魔法の文学館は、角野さんのすべての作品とその功績を紹介するとともに、児童文学に親しむための施設となっています。
1階には角野栄子さんのすべての著書が並ぶ。1970年の1作目から約300冊が出版されている。海外向けに翻訳された作品もある
児童文学をより身近に
白い建物は、建築家の隈研吾さんによる設計です。「この文学館は、外観を小さく、中に入ると町のように大きいつくりという一般的な建築の考え方と逆の発想でつくられています。角野さんの作品の世界に登場する小さな“おうち”をなだらかな丘の傾斜に沿わせて並べ、花びらのような軽やかな広がりを感じさせる屋根をかけました」と隈さん。
建物の周りのテラスや芝生で本を読め、四季折々の草花に親しめるのが特徴的です。