2025年 重大ニュース【月刊ニュースがわかる12月号】

「味覚」のナゾを解こう!

科学かがくコミュニケーターの本田隆行ほんだたかゆきさんと相棒あいぼうのボットンが、日常にちじょうのあちこちにひそ科学かがくさぐっていきます。今回こんかいはどうやってかんる? 「味覚みかく」をナゾき!(「Newsがわかる2023年12月号」より)

 “おいしいあじ”ってどんなあじ

じゃあ、まずはいろんなおいしいもののあじそうぞうしてみようか

サンマのしおきにステーキのほどよいしおげんいしいもやアイスクリームはあまいよねえ。あとは、レモネードのっぱさもいいねえ。たまにはにがめなビターチョコレートもべたくなるし、あっさりおだしのきいたうどんやおでんもべたい……グウ

さすがはボットン、すごいね! いまてきたえんあまみ・さんにがみ・うまみのいつつは、「ほんあじ」ってわれてるんだ。くちなかしたあじかんじる「らい」ってしょで、ひとかんじているあじしゅるいなんだよ

主に舌の表面にある味らいは、五つの味に対応するセンサーの役割をする細胞の集まり。味の刺激を味らいの味細胞で受け、味覚神経を通じて脳に伝わる

ほんあじ? じゃあ、カレーライスのからあじはどうなるの? カレーもおいしいよ?

からみやたんさんいんりょうのシュワッとしたかんじは、あじではなく“げき”なんだ。だからすといたかんじるよね

たしかに! ほどほどのげきが、ボクはきだなあ

でもね、それぞれのあじがほどよいだけでは、「おいしいあじ」にはならないんだ

えーなんで? したでちゃんとかんじているのに?

あじには、「におい」や「」もとてもだいなんだよ。いいあじけができたりょうも、はなづまりのときじてべたら、なんのあじがわからなくなっちゃう!

味覚のほかに、香り(嗅覚)や見た目(視覚)なども一緒になって脳に伝わり、私たちは「おいしい」とか、逆に「まずい」とかを感じることができる

やだー! おいしいものは、たのしんで、はなたのしんで、そしてしたたのしみたい!!!

あじかんじると、いいことがある?

そういえばさ、なんで大人おとなには、にがいコーヒーとか、っぱいピクルスを、おいしくかんじるってひとおおいの?

お、するどいねえ! じつほんあじごとに、かんじるいがちがうんだ。なかでもさんにがみに、ひとはとってもびんかんなんだよ

そうなの?

うん。たとえばにがみって、もともとは「どくあじけん」といういがつよくて、さんくさっているものにだいひょうてきあじなんだ。だからちいさいうちは、からだが「あぶないあじだ!」とはんのうしてしまうのかも

そっか、ピーマンがにがってかんじるひとおおいのもかたないんだなあ。でも大人おとなは? 大人おとなからだがんじょうだから、しょうしょうべてもだいじょうってこと?

いやいや、がいのないいろんなものをべてあじおぼえていくうちに「これはだいじょうあじだ」と、あじたのしめるようになっているんじゃないかな

ピーマンは、にくめにするとおいしいよねえ。ボクももっといろんなあじたのしめるようになるぞー!

そうだ、ほんだとうまみがちょうほうされるけど、ちゅうりょうはスパイスがいてるものがたくさんあるよね。アメリカにはあまあじけがきなひとおおかったりもする。くにほうぶんも「おいしいあじ」にはじゅうようなんだよね

そっか、ピーマンがにがってかんじるひとおおいのもかたないんだなあ。でも大人おとなは? 大人おとなからだがんじょうだから、しょうしょうべてもだいじょうってこと?

あとはべるじゅんばんべるときおんによっても、あじかんかたわってしまう。「おいしいあじ」ってのは、おくふかいねえ

あー! かんがんでたら、つめたいソーダがぬるくなっちゃった。おいしくなーい!

ナビゲーター:本田隆行(ほんだ・たかゆき)
「科学とあなたをつなぐ人」。大学院時代の専攻は地球惑星科学。市役所と日本科学未来館の勤務を経て、プロの科学コミュニケーターとして活動中。

【本田隆行さんのX】
https://x.com/taka_honchan

イラスト:こばやし あさみ

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