楽しみながら続ける 防災アクション10【ニュースがわかる9月号】

感性育むエデュテイメント施設「JUNOPARK」が京都にオープン

 遊びや娯楽に教育的要素を加えたエデュテイメント(edutainment)に関する施設やサービスが子どもたちの間で人気となっています。教育(Education)と娯楽(Entertainment)を組み合わせたエデュテイメントは、新たな学習法として定着しつつあり、特に夏休み期間中は自由研究の一環として利用できることもあって人気に拍車がかかっているようです。
 こうした中、京都府南部の木津川市内に8月5日、「JUNOPARK(ジュノパーク)」がオープンしました。大手住宅メーカーの積水ハウスが同社の総合住宅研究所内にあった体験型研究施設「納得工房」を全面リニューアルし、小学校高学年から中学生をメーンターゲットにした「住育エデュテイメント施設」として開設したのです。
「感性が芽生える森」をイメージした施設は4フロアに分かれており、ライブラリーなどを備える1階のパブリックエリア(無料)と、2〜4階を中心とした体験エリア(有料)の2つのエリアで構成されています。延べ床面積は7,500平方㍍で、一般的なサッカーグラウンド(7,140平方㍍)よりもひと回り広いスペースとなっています。
 ”夢中が芽生え、つながり、続いていく”――。施設はこのコンセプトに沿い、同社が長年にわたって研究してきた住まいや暮らしと密接に関わる「デザイン」「構造」「ユニバーサルデザイン」「住環境」「資源循環」「自然環境」という6つのテーマについて、子どもたちが体験しながら学び、感性を磨くことができるコンテンツを約3年半の歳月をかけて開発、提供しています。
 具体的には、次のようなテーマをもつ体験アクティビティ(ゲーム形式の約45分間のグループワークショップ)や体験ギャラリーが用意されています。
 その一つが、「マイルーム大改造」(テーマ:デザイン)です。50色・200種以上の素材の中から好みのモノを選び出し、自由に組み合わせ自分好みの“唯一無二”のマイルームをデザインします。選択肢が無数に増えることで悩むことになりますが、結果的には「本当に好き」が何かを考える力が養えそうです。

マイルーム大改造


 次に紹介するのは「2メートルタワー建築」(テーマ:構造)。チームメンバーと協力しながら地震に強い構造をヒントに材料を組み立て、自分の背よりも高い2メートルのタワーを建てるアクティビティで、「追求する力」を磨きます。

2メートルタワー建築

 「再生モノづくりラボ」(テーマ:資源循環)にも注目です。「ゴミは宝の山」と捉え、さまざまな素材が混ざったゴミの山から目当てのモノを発掘して、新しい再生アイテムをつくり出します。身近なモノの価値を再発見することにつながりそうです。

再生モノづくりラボ


 このほか、多角的な視点の大切さを学ぶことができるプログラム「戦略アスレチック」(テーマ:ユニバーサルデザイン)や、五感を使って快適で居心地のよい家を考える「ゴーストハウス調査隊」(テーマ:住環境)、さらには、“自然と人が共生する”ために工夫された家や暮らしを展示している体験ギャラリー「世界の自然共生ハウス展」(テーマ:自然環境)からも深い学びを得ることができそうです。

 8月5日のオープニングセレモニーで積水ハウスの代表取締役兼CEO(最高経営責任者)社長執行役員の仲井嘉浩さんは、「次世代にとって子どもたちは宝です。ここでの体験を通じて感性豊かに育ち、一人でも多くイノベーティブ(革新的)な人材になっていくことを応援していきたいです」などとコメントしました。
 今後もこうしたエデュテイメント施設の誕生が期待されます。

【JUNOPARK概要】
▽所在地:京都府木津川市兜台6-6-4
▽建物:地上4階建て、延べ床面積約7,500平方㍍
▽施設内容:体験アクティビティ、体験ギャラリー、ライブラリー、カフェ、レストラン、ショップなど
▽営業時間:9:30~17:00
▽休館日:毎週水曜日(祝日・長期連休期間を除く)・年末年始・臨時休館あり
▽対象年齢:小学校高学年~中学生が中心
▽入場料:体験エリア 子ども(中学生以下)500円、大人1,000円
▽駐車場:120台(無料)