ようこそ図書室へ【広尾学園小石川中学校・高等学校編】

都営地下鉄三田線の千石駅からほど近く、東京都文京区の閑静な住宅街に広尾学園小石川中学校・高等学校はあります。同校は創立以来113年の歴史を持つ村田女子高等学校が、広尾学園中学校・高等学校と教育連携を結び、2021年4月に男女共学の学校として誕生しました。

カリキュラムは広尾学園で培われた教育システムを導入しています。中学校は、英語力を伸ばすことができる【インターナショナルコース】と読解力と発信力を伸ばして難関大学合格を目指す【本科コース】を設置。【インターナショナルコース】は、授業を原則、英語で行うアドバンストグループ(AG)と基礎から英語力を伸ばすスタンダードグループ(SG)の2つがあります。
生徒全員がMac Bookを購入するなど、ICT教育にも力を入れています。取材に訪れた7月下旬は、夏期講習を受講する生徒たちで活気にあふれていました。

今回は国際色豊かな同校の図書館司書教諭・西村彩子先生にお話をうかがいました。

【図書室の特色を教えてください】

広尾学園小石川となって2年目ですので、手探りではありますが、図書室に行かなくても本が借りられる「学校中が図書館になる」環境を作ろうとしています。

例えば廊下などにラックを作り、「ミニ図書館」と名付けて学校のある文京区ゆかりの文豪・夏目漱石に特化したコーナーを設置したり、ビギナー向け・エキスパート向けの洋書特集などを組んだりして、手に取ってもらいやすくしています。借りたい本があるときは、各クラスに2名ずついる図書委員に頼めば、教室で借りることができます。

校内にはさまざまな特集を組んだラックが並んでいます。

また、哲学の本を特集した「ミニ図書館」も設けています。将来、医師など命に関わる仕事を目指す生徒が多く、倫理観のあるリーダーを育てたいという学校の思いがあります。

【中学1年生に人気の本を教えてください】

ライトノベルをはじめ、気軽に読める本が人気です。知念実希人さんの作品がよく読まれています。住野よるさんの『この気持ちもいつか忘れる』(新潮社)や『また、同じ夢を見ていた』(双葉社)、寺地はるなさんの『声の在りか』(角川書店)、『ガラスの海を渡る舟』(PHP)も人気ですね。

夏目漱石の作品を特集した「ミニ図書館」

【今後取り組みたいことを教えてください】

岩波文庫・新書100冊読破プロジェクトなど、少しでも本に興味を持ってもらえるような企画から、ビブリオバトルの開催(昨年はオンライン配信)、本のPOPコンテストなど多様なイベントを展開予定です。また、電子図書館も洋書・和書ともに充実させたいと思っています。

図書室には「読書を通して『識(し)る』喜び、『知る』楽しみを味わいましょう」という図書委員会の目標が貼られていました。「識るという言葉は校歌に出てくる言葉で、物事を正しく見分けて認識するという意味です。生徒たちには読書を通じて、新しい世界や豊かな心を知り、そこで得たものを糧に自分の夢を叶えてほしいです。」と西村先生は話しています。